[ロンドン 27日 ロイター] - 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は27日、事情に詳しい関係者の話として、ロシア北極圏の刑務所で2月に死亡した反政府活動家ナワリヌイ氏について、プーチン大統領が殺害を命じなかった可能性が高いと米情報当局が判断したと報じた。
米情報当局は、機密情報のほか、ナワリヌイ氏の死亡が3月のロシア大統領選が間近に迫る時期だったこと、大統領選に与える影響などを分析し判断を示した。この見解は米中央情報局(CIA)、米国家情報長官室(ODNI)、米国務省情報部門など複数の機関で共有されているという。
ただ、ナワリヌイ氏が何年も前からロシア当局から危険人物視され、西側諸国が政治的動機によるものと指摘する罪で収監され、2020年には毒殺未遂も起きていることから、米政府はプーチン大統領がナワリヌイ氏死亡の責任を免れないと考えている。
ロイターはWSJの報道内容を独自に確認できていない。
ロシアのペスコフ大統領報道官は27日、報道を確認したとした上で「注目に値する質の高い内容とは言えない」と語った。ロシア政府はナワリヌイ氏死亡への国の関与を強く否定している。
ナワリヌイ氏の側近を長年務めたレオニード・ボルコフ氏は米当局の判断について、認識が甘く、ばかげていると述べた。