[エルサレム 29日 ロイター] - 国際刑事裁判所(ICC)がパレスチナ地区ガザでの戦闘に絡みイスラエル政府当局者に逮捕状を発行する準備を進めている可能性があり、イスラエル政府内で懸念が強まっている。
イスラエルのメディアなどによると、ICCは昨年10月7日に起きたイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲とその後イスラエル軍のガザでの軍事行動を巡り調査を進めており、ネタニヤフ首相らイスラエル政府高官は戦争犯罪や人道に対する罪などに問われる可能性がある。ハマスの指導者に対する逮捕状の発行も検討されているという。
イスラエルのカッツ外相は28日、ICCが近く、政府および軍の高官に対し逮捕状を発行する可能性があるという報道について、そのような状況にならないことを期待するとし、「われわれが頭を下げることはない。戦い続ける」と言明した。
カッツ外相はさらに、イスラエルの大使館に対し「深刻な反ユダヤ主義」に直面するリスクがあるとし、警備を強化するよう警告した。
ネタニヤフ首相は先週末、「自衛に対する基本的権利を損なうICCのいかなる試みも決して受け入れない」とし、「ICCの決定はイスラエルの行動に影響しないが、兵士や公人を脅かす危険な前例となる」と述べていた。