Nandita Bose
[ジャクソンビル(米フロリダ州) 1日 ロイター] - ハリス米副大統領は1日、南部フロリダ州ジャクソンビルで演説し、同州で妊娠6週より後の人工妊娠中絶を実質的に禁止する州法が発効して女性の選択肢が制限される事態となったことについて、トランプ前大統領に責任があると非難した。
ハリス氏は「本日の午前零時に、トランプ氏の中絶禁止(方針に基づく州法)がここフロリダ州で発効した。われわれは、政府が決して女性と医師の間に割って入るべきではないと考えている」と語った。
米連邦最高裁は2022年、中絶を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェード」判決を覆し、中絶の是非の判断は各州に委ねられた。トランプ氏は大統領在任中、保守派の判事3人を指名。これにより最高裁判事は保守派が優勢となり、22年の決定をもたらした形だ。
こうした状況下でフロリダ州の最高裁は今月、妊娠6週より後の中絶を禁じる州法の発効につながる判断を示していた。妊娠6週時点では妊娠に気付かないことが多いため、中絶の選択肢はほぼ全面的に奪われることになる。
ハリス氏は20余りの州で生殖に関する自由を訴える活動を展開しており、3月には人工妊娠中絶を行う産婦人科医院を視察している。