[カイロ/ラファ(パレスチナ地区ガザ)/エルサレム 6日 ロイター] - イスラム組織ハマスは6日、イスラエル軍との戦闘が続くパレスチナ地区ガザでの休戦案を受け入れると発表した。一方、イスラエル側は、受け入れられない要素が含まれるとし、合意には至っていないと述べた。
ハマスは声明で、最高指導者ハニヤ氏が戦闘休止や人質解放に関する交渉の仲介役を務めるエジプトとカタールに対し、休戦案受け入れると伝えたと明らかにした。
イスラエル当局者は、ハマスが受け入れたのはエジプトが提案した内容が「弱められた」もので、イスラエルが受け入れることができない「広範囲に及ぶ」決定が含まれると述べた。
「イスラエルが合意を拒否する側であるように見せかけるための策略のようだ」という認識も示した。
しかし、交渉に近い筋によると、ハマスが受け入れた休戦案は、イスラエルが4月末に同意した案と実質的に同じ内容という。
米国務省のミラー報道官氏は、ハマス側の回答について、同盟国と数時間以内に協議するとし、合意は「絶対に達成可能」と述べた。
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「人質の解放と6週間の停戦を実現し、人道支援を強化したい」とし、合意にこぎ着けることが「確実に最良の結果」になるという認識を示した。
こうした中、イスラエル軍はガザ南部ラファで空爆を実施。ハマスによる休戦案受け入れがラファで予定される攻撃に影響するかという質問に対し、イスラエル軍のハガリ報道官は、人質解放に向けたあらゆる提案を検討するとしつつも、「ガザにおける軍事作戦を並行して実施し、継続する」と応じた。
バイデン米大統領は6日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、ラファ侵攻に反対する立場を改めて表明。
ネタニヤフ首相は、ハマスに対し人質解放を求める圧力を強めるため、ラファでの作戦継続を閣議で承認したと説明。また、ハマスの提案はイスラエルの要求を満たすには程遠いとしながらも、交渉に代表団を派遣する方針も表明した。