[フランクフルト 30日 ロイター] - ドイツの産業界が2023年に支払うエネルギーコストは、ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされたエネルギー危機前の21年から約40%増加する見通し。ドイツの取引信用保険会社アリアンツ・トレードが30日、調査結果を発表した。
「欧州企業にとって、エネルギー価格に関する大規模なショックがまだこの先に待ち受けている」と指摘。価格上昇が欧州全体の企業収益に1─1.5%の打撃を与え、設備投資の減少につながるとし、ドイツの場合は250億ユーロ(270億ドル)に上るとした。
一方で、ドイツ企業の財務は健全で、ドイツ政府が導入したガス料金の上限が支えになるとした。
また、エネルギー価格よりも人件費や為替レートの方が製造業に大きな影響を与えるため、危機によって産業の空洞化が進み、米国に対する競争力が失われるという懸念は行き過ぎと言及。農業食品、機械、電気機器、金属、輸送などの分野で輸出企業が市場シェアを失っているものの、相対的に恩恵を受けているのは米国ではなく、アジア、中東、アフリカの傾向があるとした。