[クアラルンプール 14日 ロイター] - マレーシア中央銀行が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年比17.1%減と、約20年ぶりの大幅な景気縮小を記録した。
新型コロナウイルス感染抑制に向けた措置により、消費支出や輸出が大幅に落ち込んだ。市場予想は10.0%減、第1・四半期は前年比0.7%増だった。
マレーシア経済がマイナス成長に陥るのは金融危機時の2009年以来。1998年第4・四半期(11.2%減)以来の大幅なマイナスとなった。
第2・四半期は、新型コロナの感染拡大に歯止めをかけるため、大半の期間で移動や経済活動が制限されていた。
経済活動は幅広い分野で縮小したが、6月は製造業や農業などに回復の兆しが見られた。
バンク・イスラムのチーフエコノミスト、 Mohd Afzanizam Abdul氏は「5月に経済活動の再開が始まると、GDPの減少ペースは大きく鈍化した」と指摘。今後も回復が続くとの見方を示した。
中銀のノル・シャムシアー総裁は「第2・四半期は景気の谷だったとみられる。年後半に持ち直し、2021年には一段と回復すると見込んでいる」と述べ、先行きは慎重ながら楽観視している、とした。
中銀は2020年の成長率を3.5%減─5.5%減、2021年を5.5%増─8%増とみている。
また同総裁は2020年のインフレ率について、マイナスになる可能性があるとし、これまでの見通しマイナス1.5%─プラス0.5%に沿ったものになると述べた。
同総裁は、感染第2波が発生した場合には、的を絞った政策を導入する余地があるとも発言。「そうした措置には金融政策、流動性対策、金融措置などが含まれる。政府にも、必要になれば、景気を刺激し、家計・企業を支えるための一定の財政余地があるだろう」と述べた。
*内容を追加しました。