サイバーマンデー特売。最大60%引きInvestingPro特別セールを請求する

東京外為市場・午後3時=ドル80円前半で下値もみあい、QE3観測盛り上がらず

発行済 2011-06-06 16:08

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 80.31/34  1.4645/50  117.62/65

正午現在   80.27/29  1.4639/43  117.50/54

午前9時現在 80.22/25  1.4652/54  117.54/58

NY17時現在 80.25/30  1.4634/40 117.48/50

--------------------------------------------------------------------------------

 [東京 6日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と

ほぼ同水準の80円前半で推移している。予想を大幅に下振れた5月の米雇用統計を受け

て海外市場で1カ月ぶり安値をつけたが、アジア時間に入ると80円前半で底堅い推移に

なった。ドル売りの流れは続いているが、米量的緩和第3弾(QE3)観測の盛り上がり

はみられなかった。

 

 5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加が事前予想(15万人増)に対して

5万4000人増にとどまり、失業率は9.1%と事前予想(8.9%)を上回った。米

雇用の弱さを受けてドル売りが強まり、ドル/円は80.05円と1カ月ぶり安値をつけ

た。それまで80円半ばが堅かったことで、下値の堅さを前提に取引していたインターバ

ンク勢が雇用統計を受けて一気にポジションを切らされたという。

 ポジション調整が一巡したあとは80円前半でもみあいとなり、アジア時間も

80.17─80.40円の狭いレンジで底堅くもみあった。「79円台は、インターバ

ンク勢のストップロスもあるようだが、個人は80円付近から買いスタンス。ドル/円が

急落するイメージはない」(セントラル短資FX執行役員、武田明久氏)という。値頃感

による輸入企業の買いのほか、機関投資家の買いが入ったとの声も出ている。

 介入懸念が強まるとされる80円が目前だが「円高のピッチが速いわけではなく、差し

迫った介入警戒感は出ていない」(大手銀行)という。

 バークレイズ銀行チーフFXストラテジスト、山本雅文氏は、ドル/円の1カ月後予想

は80円としたうえで「レンジを取れば79─83円。80円を割らないわけではないが、

下に走ることはないだろう。当局の介入については、為替より日経平均が9000円を割

るかどうかで決まる。9000円前半の今の水準なら、介入はないだろう」とみている。

 ユーロ/ドルは米雇用統計を受けたドル売りに、ギリシャ支援問題の進展を受けたユー

ロ買いが加わってアジア時間朝方に1.4659ドルまで上昇して1カ月ぶり高値をつけ

た。欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)は3日、共同

声明を発表し、ギリシャに対する次回融資について、7月初旬にも実施されるとの見通し

を明らかにした。ただ、買い一巡後は1.46ドル台での高値もみあいに転じた。

 

 <米雇用統計でもQE3観測盛り上がらず>

 

 5月米雇用統計の非農業部門雇用者数の伸びは予想を大幅に下回ったが、米量的緩和第

3弾(QE3)観測の盛り上がりは見られない。

 「足元の米景気減速を見れば、QE2の効果にも疑問が出てくる。QE2の終了後、同

じ政策を打ち出すとも考えにくく、6月21─22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)

は様子見になるのではないか」(大手銀行)、「米当局の次の対応は、量的緩和でなく、

出口戦略への着手先延ばしという時間軸の長期化になる」(SMBC日興証券シニア債

券為替ストラテジスト、野地慎氏)という。

 時間軸長期化であっても、トレンドはドル売りが見込まれている。「米景気の2番底な

らドル買い戻し。しかし、そこまで悪くはなく、世界景気もある程度の成長も確保されて

いるなかでは、ユーロやエマージングを買うことになり、結果的にドル・キャリーだ」

(野地氏)との声が出ている。

 ただ、米国のほか金融引き締めが始まっている新興国でも景気は減速傾向。このため「

積極的なリスクオンにはならないだろう。余ったドルの受け皿としてリスク資産を買うと

しても、ユーロ/ドルで1.50ドルを目指すような勢いはない」(大手銀行)との声も

聞かれる。

 また、QE3観測も消えたわけではない。バークレイズ銀行は実施しないという従来の

立場を継続しているが「市場の観測としては、QE3観測がくすぶり続けている。米金利

は米雇用統計後に下げ渋ったが、ギリシャ支援問題の進展による面が大きく、米景気に対

する市場の懸念が消えたわけではない」(同銀行チーフFXストラテジスト、山本雅文氏)

という。

 

 <米長期金利予想を下方修正する動き>

 5月の米雇用統計を受けた米長期金利の見通しについて、SMBC日興証券シニア債券

為替ストラテジスト、野地慎氏は「米10年債利回りの中心レンジは3%プラスマイナス

0.25%。これまでのレンジより0.25%程度切り下がったが、2.4%を割り込ん

だ昨年10月ほど下がることはない」とみている。10月の金利低下は米量的緩和第2段

(QE2)への期待などが背景にあったが、今回はQE3は実施されないとみているため

だ。

 また、米足元景気の減速にしても、生産の落ち込みについては東日本大震災復旧による

サプライチェーン回復後を、ガソリン高騰による米消費減退についてはこのところの商品

価格の調整の影響を、それぞれ確認する必要があるとの声は多い。

 バークレイズ銀行も、5月米雇用統計を受けて、米金利見通しを下方修正した。10年

金利の6月末予想を3.5%から2.9%に、12月末予想を3.75%から3.25%

に、それぞれ変更している。

 野地氏は、米金利の急低下はないという基本認識のうえで、懸念要因として、1)米

10年債利回りが、トレンドをみるうえで意味の大きい200日移動平均を割り込んでい

ること、2)ボラティリティが上がっていること──の2点を挙げている。

 

 

 (ロイターニュース 松平陽子)

※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net 

E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)

  

 全スポットレート(ロイターデータ) 

 アジアスポットレート(同)

 欧州スポットレート(同)

 クロス円レート(同)

 クロス円の時系列レート(同)

 通貨オプション

 スポットレート(ロイター・ディーリング約定値)

 スポットレート(RTFX)

 スポットレート(日銀公表)

 

 為替関連ニュース [FRX]

 外為市場リポート[JPY/J]

 外為マーケットアイ[JPY/JU]

 焦点・アングル・特集 [FRX-FES]

 クロスマーケットアイ[.JPCM]

 

 主要国の経済指標発表予定と予想一覧<0#JECON>

 主要国の政策金利一覧・中銀関連[BOX-CEN]

 きょうの予定[MI/DIARY][JPY/DIARY]

 

 速報ニュース[AA][AA-RS]

 財政・金融政策の当局者発言ニュース[RSS-PLCY]

 規制・監督関連ニュース[RSS-REGS]

 ファンド関連ニュース[RSS-FUND]

 欧州市場サマリー[NNJ/EU]

 NY市場サマリー[NNJ/NY]

 世界の主要株価指数

 

 外国為替・マネー総合メニュー

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます