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サンワテクノス Research Memo(4):ソリューション提供型企業へ、前中期経営計画からの最重点経営課題

発行済 2016-12-02 12:42
更新済 2016-12-02 13:00
サンワテクノス Research Memo(4):ソリューション提供型企業へ、前中期経営計画からの最重点経営課題
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■中期経営計画『Challenge 1500』の進捗状況

(2)『エンジニアリング事業』の進捗状況

a)事業の概要
サンワテクノス (T:8137)においてエンジニアリング事業というのは、“電機・電子・機械の3部門の商品をそれぞれ単品販売するのではなく、システムとしてソリューションを提案する”ということで、言わば営業手法である。
同社を食品スーパーに見立てると、これまでの同社は肉、魚、野菜を取りそろえて素材のまま顧客に販売してきたのに対し、エンジニアリング事業では、それぞれの食材を惣菜やお弁当に加工して販売するというイメージだ。
エンジニアリング事業としての売上高が立つのではなく、そこでの収益は電機・電子・機械の3部門の振り分けられることになる。


同社はこのエンジニアリング事業を、前中期経営計画『JUMP 1200』の時代から今日まで一貫して最重点の経営課題と位置付けてきた。
理由は、エンジニアリング事業の拡大が、同社が販売代理店としての殻を抜け出してソリューション提供型企業へと成長することと同義だからである。
企業収益の面でも、他社製品の販売代理業に比べて、“ソリューション”という付加価値の分だけマージンを稼ぐことができ、より高い利益率を追求することができる。


弊社では、同社のエンジニアリング事業の強化策について、方向性の正しさは言うまでもなく、実現可能性や企業収益への実効性についても十分説得力があり、期待の持てる施策であると評価してきた。
そう考える理由はいくつかあるが、エンジニアリング事業が、同社の仕入先・販売先双方が「手離れをよくするため、切り離したい」と考えている部分をカバーするものであるという点がまず挙げられる。
すなわち同社はアウトソースニーズの受け皿となるということだ。
また、同社が仕入先・販売先双方の有力企業と強い信頼関係で結ばれている点も大きな理由の1つだ。
さらに3番目の理由としては、サンワテクノスタイランドにおいて『JUMP 1200』時代から試行錯誤も含めて実績を積み上げてきたことが挙げられる。
『Challenge 1500』では国内展開が本格化するという流れだ。


b)事業の進捗状況
同社は2015年4月に組織改革を行い、「FAシステム営業統括部」、「産業ソリューション統括部」、「エンジニアリング部」などを設置した。
また、本社移転を機に2016年1月から電機・電子・機械の3部門が本社に統合され、それ以来、電機・電子・機械の各事業部門が一体化した“機電一体営業”を進めた。
さらに、2016年10月からはエンジニアリング部も本社に統合されて、同社の総合力の発揮や同社独自のエンジニアリング事業を積極的に展開できる体制が整った。


こうした取り組みから、具体的な成果も出てきている。
一例として、有機ELパネルの生産ラインがある。
従来であればロボットや制御盤などの機器を単体で納入していたケースだが、今回の商談においてはシステム・設置・メンテナンスを一貫して同社が請け負う内容となっている。
また、米国においても制御盤について、工作機械メーカー向けに制御盤を核にしたソリューション提案を進めている状況だ。


エンジニアリング事業については、商談中の案件が多いことや営業上の秘密といった観点から、詳細な情報を得ることが難しい。
現状のエンジニアリング事業の構成は、電機・機械部門の商材にシステム(ソフト)の部分が加わった形となっているものが多い。
カレーになぞらえると肉や野菜が電機・機械部門の商材であり、システムインテグレーション(SI)がカレールーということになる。
2017年3月期第2四半期の実績はSIの仕入額が約14億円に達した。
こうした実績を踏まえて弊社では、2017年3月期におけるエンジニアリング事業の規模(ルーの部分)を30億円程度と推定している。


中期経営計画初年度としては約30億円のエンジニアリング事業の規模は十分に評価できる水準と考えている。
ただし、前述のようにルーの部分が他社から仕入れるSIの部分が多くなっているのは今後の課題だ。
他社からの仕入れである以上、同社に残る利益は多くないとみられるためだ。
この部分を自社で内製化できれば現状よりも高い利益率が期待でき、全社の収益性改善に大きく貢献すると期待される。
また、エンジニアリング事業の事業規模については、今中期経営計画の最終年度までにはこの数値が100億円程度に達する可能性は十分にあるとみている。


弊社がそのように想定する理由の1つが、同社が注力する「成長市場をターゲットにした商談」の2017年3月期第2四半期の実績だ。
2017年3月期は商談中の金額が一気に約219億円にまで膨れ上がった。
内容を見ると“省力化”分野が主たるけん引役となっている。
この分野こそ同社のエンジニアリング事業が最もフィットするところであり、後述するフジプレアム (T:4237)との連携でも狙っている市場だ。
今期商談の約139億円の中にはエンジニアリング事業の案件が複数含まれているもようで、今後の成長に大いに期待が持てる状況と言える。


c)フジプレアムとの業務提携
エンジニアリング事業における重要な進捗事項として、フジプレアムとの業務提携に注目している。
両社は2016年4月5日に業務提携契約を締結した。
フジプレアムは精密貼合(てんごう)技術をコアに、その技術を必要とするディスプレイ、LED関連などの製造ラインについて、機器の設計・制作・設置・メンテナンスなどを一貫体制で提供している。


今般の提携では、ロボットを活用した自動化システムに関し、フジプレアムはそのメカトロニクス事業部門で提案・設計・制作・設置・試運転などの製造面を担当し、一方、同社はマーケティング力・営業力を活用して商機を拡大することとされている。
この提携に関する自動化システムについては既に受注実績も積み上がっており、今後さらに加速すると期待される。


弊社がフジプレアムとの提携に注目するのは、提携からの直接的な経済効果のみならず、この提携が今後の同社の事業展開の方向性を暗示していると考えられるためだ。
同社は2015年12月に子会社で制御装置等の設計・製造・販売を手掛けていたサンワテスコム(株)を解散した。
旧サンワテスコムの人材は本体に吸収し企画・提案力の強化に振り向け、製造・設置の実働部分はフジプレアムとの提携に象徴されるように外部に切り出すという流れだ。
この動きは正式な業務提携という形に至らないまでも随所で進められており、同社は“コーディネーター”としての能力と体制を着実に高めつつあるとみられる。
今中期経営計画におけるエンジニアリング事業の拡大ペースの加速が期待できる状況になってきていると弊社では考えている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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