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イーレックス Research Memo(7):18/3期も増収増益トレンドが続く公算大

発行済 2017-03-08 17:08
更新済 2017-03-08 17:34
イーレックス Research Memo(7):18/3期も増収増益トレンドが続く公算大
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■今後の見通し

2. 2018年3月期の考え方
イーレックス (T:9517)の2018年3月期の業績については、『Dash 1000』の中で掲げられた業績計画が1つの基準になってくると考えている。
2018年3月期について、売上高51,280百万円、営業利益5,311百万円、経常利益5,076百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,336百万円が計画されている。


2017年3月期の業績見通しが大幅に上方修正されたことから、2018年3月期についても『Dash 1000』での業績計画をさらに上回ることができるかどうかに注目が集まるところだ。
この点について弊社では、その可能性は十分にあるが、現時点では『Dash 1000』で現在掲げられている業績計画の数値を基準にバリュエーションをしていくべきであると考えている。


まず、2018年3月期に予想されるプラスとマイナスの両要因を整理すると、プラス要因としては、電力販売に占める小売(低圧・高圧両分野)電力量の構成比の想定以上の上昇が挙げられる。
これを実現するには大口需要家の獲得や顧客件数の上積みが必要となる。
また、原油価格の上昇で燃料価格が上昇すれば、2017年3月期とは逆に売上高を押し上げる要因となるが、利益率への影響という点では、低下させる方向に働く可能性もある。


マイナス要因として警戒すべきは、過不足電力(インバランス電力)の精算金額(インバランス・コスト)の算定において、2017年3月期は同社の原価低減方向に働いたことの反動だ。
2017年3月期は同社にとってプラス方向に働いたが、2018年3月期において算定方法が再び変更となり、プラス影響が出なくなる、もしくはマイナス方向に働く可能性もゼロではない。


以上のような要素に対する弊社の見方は以下のとおりだ。
顧客件数については、採算性が高い高圧分野に顧客数の伸びが加速するというのは過度な期待というべきだろう。
この分野はPPS(新電力)各社が最も激しく競争をしている領域であり、現状の月200件~300件の純増ペースを維持することが基本シナリオになると考えている。
低圧分野についても、東京や大阪など大都市圏では過当競争の状況にあり、主戦場は地方の中核都市や大都市周辺都市などに拡散しつつある(これは高圧分野も同様)。
それだけ営業の戦線を拡大する必要があるため、大都市での営業に比べて効率性が低下する可能性がある点には注意が必要だと考えている。
前述のように、一部報道では2018年3月期末で120,000件という目標の数値が出ているが、その実現は不可能ではないにしても決して簡単ではないと考えている。
同社はLPガス販社39社と提携しており、その潜在力をどこまで発現できるかに注目したい。


インバランスコストの精算インパクトについては、現行の算定方法が維持されるならば2018年3月期もプラスインパクトを享受できる可能性が高いが、算定方法が変更になる可能性は否定できない。
現時点でこれを織り込んで上振れ期待を持つのではなく、新年度に入って算定方法の変更がなかったことを確認してから、業績インパクトを考慮するほうが、妥当なアプローチと言えるだろう。


原油価格変動については、極端な上昇や下落がなければ、影響はニュートラルだと考えている。
同社は佐伯発電所を稼働させて自社発電能力を小売需要分以上に有しているため、低価格での卸売を行っている。
原油価格の上昇は卸売価格の上昇につながるため、基本的には燃料価格上昇に伴う電力価格の上昇は、利益額にはプラスに働くとみている。


前述のような外部要因のほかに、同社は自助努力による収益性改善に継続的に注力している。
最も重要な取り組みは顧客ポートフォリオの最適化だ。
これは昼間と夜間で電力需要の差が大きい高圧分野の需要と、朝昼晩の需要が比較的フラットな低圧分野の需要とをうまくミックスさせて同社の電力需要を底上げするとともに需要の波をフラット化することだ。
これが進展すると調達余剰電力の収益化、すなわち利幅の拡大へとつながる。
これを突き詰めると、単純な顧客件数の増大だけでなく、潜在顧客個々の需要特性を見極めながらの営業を展開していく必要があるということになる。
これまで顧客ポートフォリオの最適化は着実に進捗しつつあるが、この点は今後も継続して注視すべきポイントの1つと弊社では考えている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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