■事業概要
2. 競合及び特色
上記のように極洋 (T:1301)は幅広く水産関連事業を行っているので、特定の競合会社ではなく、それぞれの分野で競合企業が存在する。
以下はそれぞれの分野での競合や強み、特色である。
(1) 水産商事
主に商社事業であるため、この分野での競合は多い。
同業の水産会社であるマルハニチロ (T:1333)、日本水産 (T:1332)は言うに及ばず、総合商社である丸紅 (T:8002)、三菱商事 (T:8058)等の水産部門、そのほか、水産物専門商社などと競合する。
さらに海外における買い付けなどでは、外国の商社及びバイヤーと競合になる場合も多い。
激しい競争の中で長期的に勝ち抜くためには、いかにサプライヤーと信頼関係を構築し維持するかが重要であるが、同社には戦前から水産業を営んできた強みがある。
取引先との強固な信頼関係及び水産物に対するプロフェッショナルとしての豊富な知識や経験が同社の強みと言えるだろう。
(2) 冷凍食品
この分野も競争は激しい。
水産商事部門での競合企業に加え、冷凍食品メーカーとも競合する。
ただし、同社の特色でもあり、また、強みでもあるのは、既述のように「生食用冷凍食品」であり、特に回転寿司向けで高シェアを誇っていることにある。
この分野での競合は主に(株)ベニレイ及び(株)ニチレイフレッシュなどがある。
その一方で同社は、過去には一般家庭用の冷凍食品は扱っていなかった。
言い換えれば同社が弱かった分野である。
しかし2014年1月から自社ブランド「シーマルシェ」を立ち上げ、家庭用の冷凍食品市場に参入した。
これは水産のプロの目で選んだ魚を、手軽に、おいしく食べられる家庭用の冷凍食品という点に強みがある。
競争の激しい分野ではあるが、同社はゼロからの出発ながらもこれらの強みを発揮し、少しずつだがシェアを伸ばしつつある。
最近では(株)イトーヨーカ堂やイオン (T:8267)などの大手量販店にも入っており、今後の動向に注目していきたい。
また、2013年7月には「だんどり上手」シリーズも発表した。
これは毎日忙しい現場で“だんどりよく”調理してもらうための業務用商品であり、特に骨なし切身製品は独自製法で製造され、冷凍のまま調理可能である。
高齢者施設及び事業所給食向けに販売され、シリーズ商品も順調に拡大している。
(3) 常温食品
主力製品が缶詰や珍味、及び健康食品であることから競合会社は無数にある。
健康意識の高まりから水産食品への需要が高まるなか、いかに消費者に受け入れられる商品を開発できるかが、今後の成長を左右する。
(4) 物流サービス
この分野も競争は激しいが、どれだけの庫腹規模を持っているかがカギとなる。
その点で同社は、東京の城南島並びに大井、大阪、福岡という大都市圏(消費地)に冷蔵倉庫を有し、主要顧客にとっては利便性が高い。
この点は同社の強みと言えるだろう。
また既述のように冷蔵運搬船事業からは撤退した。
(5) 鰹・鮪
この分野も大手水産会社、総合商社から中小漁業者まで競合企業は無数にあるが、特にマグロにおいて競合するのが三菱商事系の東洋冷蔵(株)である。
いかに良質の商材を安定的に供給できるかがカギとなる。
鮪養殖の分野では、マルハニチロや日本水産などが競合企業となるが、種菌生産及び養殖飼料のトップメーカーであるフィード・ワンをパートナーとしているため技術面での優位性は高いといえよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
2. 競合及び特色
上記のように極洋 (T:1301)は幅広く水産関連事業を行っているので、特定の競合会社ではなく、それぞれの分野で競合企業が存在する。
以下はそれぞれの分野での競合や強み、特色である。
(1) 水産商事
主に商社事業であるため、この分野での競合は多い。
同業の水産会社であるマルハニチロ (T:1333)、日本水産 (T:1332)は言うに及ばず、総合商社である丸紅 (T:8002)、三菱商事 (T:8058)等の水産部門、そのほか、水産物専門商社などと競合する。
さらに海外における買い付けなどでは、外国の商社及びバイヤーと競合になる場合も多い。
激しい競争の中で長期的に勝ち抜くためには、いかにサプライヤーと信頼関係を構築し維持するかが重要であるが、同社には戦前から水産業を営んできた強みがある。
取引先との強固な信頼関係及び水産物に対するプロフェッショナルとしての豊富な知識や経験が同社の強みと言えるだろう。
(2) 冷凍食品
この分野も競争は激しい。
水産商事部門での競合企業に加え、冷凍食品メーカーとも競合する。
ただし、同社の特色でもあり、また、強みでもあるのは、既述のように「生食用冷凍食品」であり、特に回転寿司向けで高シェアを誇っていることにある。
この分野での競合は主に(株)ベニレイ及び(株)ニチレイフレッシュなどがある。
その一方で同社は、過去には一般家庭用の冷凍食品は扱っていなかった。
言い換えれば同社が弱かった分野である。
しかし2014年1月から自社ブランド「シーマルシェ」を立ち上げ、家庭用の冷凍食品市場に参入した。
これは水産のプロの目で選んだ魚を、手軽に、おいしく食べられる家庭用の冷凍食品という点に強みがある。
競争の激しい分野ではあるが、同社はゼロからの出発ながらもこれらの強みを発揮し、少しずつだがシェアを伸ばしつつある。
最近では(株)イトーヨーカ堂やイオン (T:8267)などの大手量販店にも入っており、今後の動向に注目していきたい。
また、2013年7月には「だんどり上手」シリーズも発表した。
これは毎日忙しい現場で“だんどりよく”調理してもらうための業務用商品であり、特に骨なし切身製品は独自製法で製造され、冷凍のまま調理可能である。
高齢者施設及び事業所給食向けに販売され、シリーズ商品も順調に拡大している。
(3) 常温食品
主力製品が缶詰や珍味、及び健康食品であることから競合会社は無数にある。
健康意識の高まりから水産食品への需要が高まるなか、いかに消費者に受け入れられる商品を開発できるかが、今後の成長を左右する。
(4) 物流サービス
この分野も競争は激しいが、どれだけの庫腹規模を持っているかがカギとなる。
その点で同社は、東京の城南島並びに大井、大阪、福岡という大都市圏(消費地)に冷蔵倉庫を有し、主要顧客にとっては利便性が高い。
この点は同社の強みと言えるだろう。
また既述のように冷蔵運搬船事業からは撤退した。
(5) 鰹・鮪
この分野も大手水産会社、総合商社から中小漁業者まで競合企業は無数にあるが、特にマグロにおいて競合するのが三菱商事系の東洋冷蔵(株)である。
いかに良質の商材を安定的に供給できるかがカギとなる。
鮪養殖の分野では、マルハニチロや日本水産などが競合企業となるが、種菌生産及び養殖飼料のトップメーカーであるフィード・ワンをパートナーとしているため技術面での優位性は高いといえよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)