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デリカフーズ Research Memo(1):カット野菜が外食向けに好調を持続、3期ぶりの最高益更新目指す

発行済 2017-12-20 15:11
更新済 2017-12-20 15:33
デリカフーズ Research Memo(1):カット野菜が外食向けに好調を持続、3期ぶりの最高益更新目指す
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■要約

デリカフーズホールディングス (T:3392)は外食・中食業界向けにカット野菜、ホール野菜を卸す、いわゆる「業務用の八百屋」の国内最大手。
また、野菜の機能性に早くから着目し、農産物の分析研究で国内随一のデータベースを蓄積しており、これら研究成果を生かした野菜を中心とするメニュー提案力、業界トップの衛生品質管理体制、物流体制を強みに、既存顧客内での取引シェア拡大、及び新規顧客の開拓が進んでいる。


1. 2018年3月期第2四半期累計業績
2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比7.0%増の17,861百万円、経常利益が同61.9%増の323百万円と増収増益となった。
夏場の天候不順の影響や人件費増、並びに物流網構築のための費用増等により経常利益は計画を14.9%下回ったものの、前年同期比では増収効果や2016年6月に稼働を開始した西東京事業所の黒字化により2ケタ増益となった。


2. 2018年3月期通期連結業績見通し
2018年3月期の通期連結業績は、売上高で前期比2.7%増の35,500百万円、経常利益で同32.1%増の800百万円と過去最高業績の更新を目指す。
第2四半期までの利益未達分は増収効果でカバーしていく方針だ。
下期の野菜価格が安定すれば達成可能な水準と言える。
売上高については引き続きファミリーレストランを中心に人手不足を背景としたカット野菜や真空加熱野菜の需要が伸びており、計画を上回るペースで推移する見通しだ。


3. 重点施策
同社は今後の重点施策として、自社物流網の構築と貯蔵センターの整備を挙げている。
物流コストの効率化を進めるため、2015年3月期より物流子会社を立ち上げ、現在は東京エリアの店舗配送の22%までを自社でカバーできるまでになった。
2018年3月期からは東名阪の幹線便もスタートしており、今後は各拠点の在庫コントロールの効率化も進む見通しだ。
また、自社物流では幹線便・店舗配送便を使って他社商品の混載配送の請負サービスも開始しており、今後の収益寄与が見込まれる。
2017年10月に業務提携を発表した農業総合研究所 (T:3541)の商品も取り扱っていく予定だ。
そのほか、ここ数年続く天候不順による収益悪化リスクに対応するため、野菜の鮮度を一定期間維持できる大型の貯蔵センターを新設する計画で、2019年3月期中に名古屋と埼玉でそれぞれ稼働を開始する。
台風や自然災害の発生により、野菜の調達に支障が出る恐れがある場合は、必要な商品をあらかじめ貯蔵しておき、その間に輸入品の調達を進めることで、野菜価格高騰の影響を最小限に食い止める体制を構築する。
同センターの稼働により、今後は天候要因による収益悪化リスクも軽減される見込みだ。


4. 中期経営計画
2020年3月期を最終年度とする第三次中期経営計画「Next Change 2020」では経営数値目標として、2020年3月期に連結売上高40,000百万円、経常利益1,100百円、ROE8.0%の水準を掲げている。
売上高については今後もカット野菜の需要増や新規顧客の開拓が見込まれることから、達成は十分可能と考えられる。
利益面でも、2017年10月に東名阪のエリアごとに配置していた主要子会社3社を1社に統合したことで、間接業務の集約化が図られること、また、物流の効率化が見込まれることから、計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。


■Key Points
・業務用の野菜卸しとカット野菜で業界最大手
・自社物流網の構築と貯蔵センターの開設により成長基盤を確立する
・2020年3月期に連結売上高400億円、経常利益11億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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