日経平均は続落。
39.46円安の21722.19円(出来高概算5億4000万株)で前場の取引を終えている。
週明け8日の米株式市場はNYダウが83ドル安と4日ぶりに反落する一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は続伸するなど高安まちまちだった。
このところの株価上昇を受けて利益確定の売りが出たほか、旅客機事故の影響が懸念されるボーイングがNYダウを下押しした。
こうした流れを引き継ぎ、東京市場でもやや売り優勢で日経平均は11円安からスタート。
朝方は前日終値を挟んだもみ合いが続いたが、その後円相場の強含みとともに21698.42円(63.23円安)まで下落する場面があった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の8割弱となっている。
個別では、ソフトバンクG (T:9984)、キーエンス (T:6861)、ファーストリテ (T:9983)といった値がさ株が小安い。
ニトリHD (T:9843)や高島屋 (T:8233)は決算を受けて売られ、7&iHDなど他の小売株も全般軟調。
コスモス薬品 (T:3349)は5%近い下落となった。
また、リソー教育 (T:4714)などが東証1部下落率上位に顔を出した。
一方、ソニー (T:6758)が売買代金トップで6%超の上昇。
米ヘッジファンドが改革要求のため同社株を取得したと報じられている。
その他売買代金上位では任天堂 (T:7974)、楽天 (T:4755)、ファナック (T:6954)などが堅調。
原油市況の上昇でJXTG (T:5020)などが買われ、前期純利益を上方修正した日揮 (T:1963)は急伸。
また、政府・日銀が紙幣刷新を発表し、オーイズミ (T:6428)や日金銭 (T:6418)が東証1部上昇率上位に顔を出した。
セクターでは、電気・ガス業、不動産業、小売業などが下落率上位。
反面、石油・石炭製品、鉱業、電気機器など5業種が上昇した。
日経平均は前日、寄り付きで200日移動平均線の位置する21900円台を回復すると伸び悩んだ。
米国株もNYダウが半年ぶりの高値を付けてから利益確定の売りが出てきており、日米ともに目先の上げ一服感が意識されやすいところだろう。
今月下旬から本格化する企業の決算発表を前に、今週10日発表の2月機械受注や11日発表の安川電 (T:6506)決算が注目されている。
日経平均への影響が大きいファーストリテも11日に決算発表を予定する。
これらの内容を見極めたいとの思惑が上値の追いにくさにつながっているとも考えられる。
東証1部売買代金は2兆円を割り込む日が続き、本日も前引け時点でおよそ9200億円にとどまる。
長期投資家を含む幅広い層の買いが入っている印象は乏しい。
一方、米中の景況感改善などを背景とした買いも続いており、本日はファナック (T:6954)などの設備投資関連株が堅調で日経平均を下支えする。
ソニーなどの材料株や日金銭などのテーマ株が値を飛ばしているところを見ると、個人投資家の物色意欲もなお強いだろう。
日経平均は5日移動平均線レベルで下げ渋り、ひとまず安川電の決算などを待つ格好となりそうだ。
(小林大純)