以下が、本日の米国市場で注目するべき3ポイントである。
1. 消費者物価指数(CPI)、FOMC議事要旨
日本時間午後9時30分に、米労働省は消費者物価指数(CPI、3月) を発表する。
市場予想では、消費者物価指数(CPI、3月)は0.3%増であると見込まれている。一方、コア CPIは0.21%増であると予想されている。
FRBのインフレ目標が2%である中、コアCPIは2.1%の予想である。
日本時間11日午前3時に、FOMCの議事要旨(3月)が公表される。FRBは年内の利上げは想定せず、バランスシートの縮小は9月に終了すると表明しており、議事要旨で詳細が分かるだろう。世界経済の成長やインフレ率の懸念が、ハト派転換の理由としている。議事要旨では、FOMCメンバーそれぞれの政策金利に対し忍耐強く対応するスタンスを確認することができるだろう。
2. EIA原油在庫
日本時間午後11時30分に、米国エネルギー情報局(EIA)は原油在庫を発表する。
今日午前5時30分に発表された 米国石油協会(API)による原油在庫は必ずしも、EIAの原油在庫と一致はしないが、APIはEIAの原油在庫の先行指標として見られる。
API原油在庫は、4月5日までの一週間で409万1000バレル増であり、2週間連続の増加である。
一方EIA原油在庫では、4月5日までの一週間で229万4000バレル増という市場予想がされている。
EIAは米国平均原油生産量を2019年では日量1240万バレル、2020年では日量1310万バレルと予想している。先月の2019年では日量1230万バレル、2020年では日量1300万バレルという予想から上方修正されている。
WTI原油は2019年の平均価格が58.80ドルと見込まれている。先月に米国エネルギー省が発表した56.13ドルの見込みから上がっている。
プーチン露大統領はOPECの協調減産に協力を続ける用意があるが、制御不能な価格の上昇には支持しないと発言後、9日のWTI原油は42セント安で63.98ドルとなった。
3. デルタ航空、Bed Bath & Beyondの決算報告
デルタ航空(NYSE:DAL)の決算報告は、10日の市場開場前に控えている。
市場予想では、EPS89セント、104億ドルの売上高だと見込まれている。前年同期ではEPS74セント、99億7000万ドルの売上高であった。
現在の原油価格の上昇が、デルタ航空の決算にどのように影響があったのかということが焦点である。燃料はコストの25%を占め、原油価格は年初来41%の上昇である。
ボーイング737 MAX機の墜落事故があったが、デルタは同機種を保有していないためこの事故の影響は比較的少なかった。
デルタ株は、年初来15%上昇している。
また、Bed Bath & Beyond (NASDAQ:BBBY)は市場終了後に12−2月期決算報告を控えている。市場予想ではEPS1.12ドル、33億4000万ドルとみられている。
近年Bed Bath & Beyondは消費者のeコマース嗜好や売上の伸びに苦戦しているが、同社株は年初来61%上昇している。
またルイヴィトンの決算報告もあり、売上高は137億5000万ドルと予想されている。前年同期比で2.9%の増加である。