日経平均は小幅に8日続落。
15.99円安の21051.24円(出来高概算7億8000万株)で前場の取引を終えている。
14日の米株式市場ではNYダウが207ドル高と反発。
トランプ大統領が6月下旬に開催予定の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ中国の習近平国家主席と会談する意向を示したほか、貿易協議の合意に自信を示したことで市場の懸念が後退した。
本日の東京市場でも米株高を好感した買いが先行し、日経平均は45円高からスタートしたが、寄り付き直後にはマイナスに転じた。
米中摩擦解決はなお見通せないとの見方から上値を追う動きは限定的だった。
中国・上海総合指数の反発スタートを受けてプラス圏に値を戻す場面もあったが、買いは続かなかった。
東証1部の値下がり銘柄数は1065、対して値上がり銘柄数は992となっている。
個別では、前日に決算発表した武田薬 (T:4502)、日産自 (T:7201)が揃って7%安と急落。
武田薬は同業シャイアー買収の関連費用などから今期赤字になる見通しで、日産自も大幅減益を見込んでいる。
その他売買代金上位ではファーストリテ (T:9983)、トヨタ自 (T:7203)、NTT (T:9432)、ソフトバンク (T:9434)などがさえない。
また、LINK&M (T:2170)がストップ安水準まで売られたほか、トリドール (T:3397)、TBSHD (T:9401)、H2Oリテイル (T:8242)なども東証1部下落率上位に顔を出した。
一方、ソフトバンクG (T:9984)、任天堂 (T:7974)、ZOZO (T:3092)などはしっかり。
ソニー (T:6758)は2%超高と堅調ぶりが目立った。
決算とともに自社株買い実施を発表した三菱地所 (T:8802)や丸井G (T:8252)は商いを伴って急伸。
また、じげん (T:3679)、イマジカG (T:6879)などはストップ高水準まで買われた。
セクターでは、医薬品、鉄鋼、海運業などが下落率上位。
反面、不動産業、繊維製品、精密機器などが上昇率上位だった。
14日の米NYダウは207ドル高となったが、前の日に617ドル下落した後の反発としては力強さに欠くとの見方が多い。
また、前日の日経平均は安値(20751.45円)から終値(21067.23円)まで315円ほどの戻りを見せており、米国株の反発を見越した買い戻しがかなり入っていたことが窺える。
本日の東京市場では一段の買い戻しの広がりは見られず、上値では戻り待ちの売りが出て伸び悩む展開となっている。
トランプ氏が米中貿易協議に関し時おり楽観的な見方を示すものの、追加関税の応酬で早期解決は遠のいたとの見方も増えており、主力株に積極的な買いが入る状況とは言えない。
アジア株高が下支え要因となるだろうが、後場の日経平均も上値の重い展開になるとみておきたい。
まずは21000円台を維持できれば、徐々に底堅さが意識されてくる可能性もある。
また前日も指摘したとおり、業績面で安心感のある銘柄、とりわけ相場全体の地合いの影響を受けにくい中小型株に物色が向かいやすい状況だろう。
慎重に銘柄選別したうえで取り組みたい。
(小林大純)