前日の米国市場は週末の米中首脳会談の結果を好感して主要3指数揃って上昇した。ISM製造業購買担当者景気指数は2016年以来の低い結果となったが、S&P500は史上最高値を更新している。FRBへの金融緩和期待がある現状だと、結果的にほどよい悪化となったようだ。
昨日米政府は民間航空機補助金をめぐるEUとの争いに関連して40億ドルの追加関税リストの提案を発表した。中国は一時休戦となったが、次はEUと関税で争う米国の姿勢は市場の不安感を高める可能性はあるだろう。
このような情勢の中、株高にも関わらず米10年債利回りは2.015%と低いままだ。ドル/円は108.43円となっている。上海総合指数は0.22%安、ドル/人民元は0.17%高となっている。
午前11時21分時点の日経平均株価は2万1755円。昨日の大幅高の後だけに本日は上値が重くなっている。日足で上昇トレンドを形成しているため、下値は堅いとはいえ一旦調整があってもいいはずだが、後場は果たしてどうか。米国市場はすでに高値圏にあり、悪化する経済指標が多いことを考えればFRBへの緩和期待で押し上げられているのが実情だ。米中一時休戦でFRBの緩和姿勢に変化がないともいえず、米国市場の今後の上値にも不安がある。米国債利回りの状況はその市場の不安を映しているのかもしれない。