日経平均は続伸。
107.99円高の21728.87円(出来高概算4億8000万株)で前場の取引を終えている。
23日の米株式市場でNYダウは177ドル高と続伸。
コカ・コーラなど主要企業の決算が好感されて買いが先行し、債務上限引き上げで与野党が合意したことや米中通商協議の進展期待が高まったことも支援材料となった。
時間外取引では半導体大手テキサス・インスツルメンツが市場予想を上回る決算を発表して上昇。
本日の日経平均はこうした流れを引き継いで106円高からスタートした。
前日に続きソフトバンクG (T:9984)や半導体関連株、電子部品株が買われたが、前週末からの株価上昇で上値余地は乏しいとみる向きもあり、前場の日経平均は21700円近辺でもみ合う展開となった。
東証1部の値上がり銘柄は全体の5割強、対して値下がり銘柄は4割ほどとなっている。
個別では、売買代金トップのソフトバンクGや東エレク (T:8035)、ソニー (T:6758)、トヨタ自 (T:7203)、村田製 (T:6981)などが堅調。
ソフトバンクGは傘下のファンドを通じて出資する米ウィーワークが9月にも上場すると報じられている。
半導体関連株ではSUMCO (T:3436)やアドバンテス (T:6857)、電子部品株では太陽誘電 (T:6976)が大きく上昇。
ルネサス (T:6723)は7%超と急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出した。
一方、任天堂 (T:7974)、ファーストリテ、日本電産 (T:6594)は小幅に下落。
第1四半期決算を発表した東製鉄 (T:5423)、7月既存店売上高が2ケタ減収となったしまむら (T:8227)は揃って3%近く下落した。
決算発表銘柄ではキヤノンMJ (T:8060)も下げが目立つ。
また、ベクトル (T:6058)などが東証1部下落率上位に顔を出した。
セクターでは、海運業、鉱業、電気機器などが上昇率上位。
反面、水産・農林業、建設業、電気・ガス業などが下落率上位だった。
前日からのソフトバンクG及び景気敏感株の買いが続き、日経平均は3ケタの上昇で前場を折り返した。
ただ、前日と異なって寄り付き後の伸びは限定的で、前場の上下の値幅は63円ほどにとどまった。
7月前半のもち合いレンジ上限(2日高値21784.22円、取引時間中)に接近し、一段の上値追いには慎重となりやすいところだろう。
足元強い値動きを見せている半導体関連株を個別に見ると、アドバンテスが年初来高値を更新。
東エレクも高値に接近している。
これに伴い貸株の増加が顕著となっており、高値警戒感から売りも出ているようだ。
また、しまむらの7月既存店売上高を見ると、小売セクターでは衣料品を中心に天候不順の影響が懸念される。
半導体関連株の株価位置は、5月以降に高まった米中摩擦への懸念がほぼ払拭し、今下期からの業績回復期待も再び織り込みつつある水準と捉えられる。
こうした期待による買いと警戒感による売りがたまっているだけに、決算発表後の株価の振れはかなり大きくなる可能性がある。
前場の東証1部売買代金は9000億円弱で、大方の投資家は決算内容を見極めたいとの思惑から模様眺めムードのようだ。
本日の信越化 (T:4063)、日本電産、キヤノン (T:7751)などを皮切りに、4-6月期決算発表が本格化する。
(小林大純)