水曜日の米国株式市場はFOMC後のパウエルFRB議長の記者会見を受けて大幅に下落。NYダウ平均株価は一時478ポイント下落し、最後は1.23%安で取引を終えた。
FOMCでは2008年以来初めての0.25%の利下げを決定し、資産圧縮プログラムも予定より2か月早く終了する。0.25%の利下げは市場予想通りだったが、一部では0.5%の利下げを望む声もあった。パウエルFRB議長は今回の利下げを景気サイクルの途中の調整であり、長期的な利下げサイクルの始まりとは違うと述べている。
米10年債利回りは一時2.006%まで低下したが、午前10時55分時点で2.042%となっている。ドル/円は109.20円と円安に振れている。上海総合指数は0.32%安、ドル/人民元は0.25%高で推移している。
日経平均株価は米国市場の下落を受けて大幅安で始まったが、2万1538円まで戻している。日本市場は為替が円安に推移していることもあり、底堅いようだ。FOMCが終わったことで、ここからしばらくは業績にフォーカスした市場になるであろう。一夜明けて今晩の米国市場が落ち着きを取り戻すのか、はたまた下落が続くのかが注目されるが、パウエルFRB議長の発言も今後の利下げを否定しているわけでもなく、そこまで嫌気されるようなものでもないから、一旦落ち着く可能性が高いのではないか。ただし、債券市場においてイールドカーブの平坦化が変わっていないことを考えれば、株式市場が継続して上昇できるかに関しては不透明である。株価は結局のところ業績次第であり、今年後半から来年度の見通しが重要ということだろう。
注目の米中貿易協議は特段の成果もなく終わり、次回は9月に開かれることが決まっている。
後場の日経平均は前場である程度材料をこなしたと思われ、今夜の米国市場待ちとなり、値動きが小さくなるだろう。中国市場次第なところはあるが、再度下値を試して大きく崩れる展開にはなりにくいと思われる。