[パリ/ミュンヘン 6日 ロイター] - 欧州の航空機大手エアバス (PA:AIR)は、中型のA320シリーズの強い引き合いと引き渡しの遅延に対応するため、最大製造拠点であるフランス・トゥールーズにA321ネオの生産ラインを新設する方針だ。
第2の製造拠点であるドイツのハンブルク工場で増員予定の従業員の一部を再配置する可能性があり、株主でもある独仏の政府間で政治問題化する可能性もある。
正式決定はなされていないが、複数の業界筋は、トゥールーズにA320シリーズの9番目の生産ラインができるのはほぼ間違いないと語った。需要が弱いため生産を中止しつつある超大型A380用のスペースが利用できるという。
エアバスは新設ラインの場所についてコメントを拒んだ。7月末時点では、A321の今後の生産構想については検討中と述べるにとどまっていた。
エアバスのミハエル・シェルホルン最高執行責任者(COO)はロイターに「2020年以降に向けてA321の生産能力を適正化させる必要がある」と説明した。
エアバスは単通路機の生産のうち、A321の比率を今世紀初め以降、3倍の16%としたが、ライバルの米ボーイングと中型機市場で競う中で、これを50%に高めることを目指している。
エアバスは昨年、A321の生産ラインをハンブルク工場に開設したが、客室仕様への対応に時間がかかる上、技能不足も手伝って工程の遅延が生じた。