■株主還元エリアリンク (T:8914)は株主還元を重要な経営課題の1つと位置付けており、配当によることを基本としている。
その株主配当については、中長期的な事業計画に基づき、市場環境や設備投資のタイミングを見ながら、内部資金の確保や財政状態、利益水準などを総合的に勘案した上で、配当性向30%を目安に期末年1回の配当を実施することを基本方針としている。
2019年12月期について同社は、期初に前期比6円減配の40円配の配当予想を公表した。
その時点での予想1株当たり当期純利益は88.00円(前期比39.5%減)となっており、これに基づく配当性向は45.5%だった。
弊社では利益の大幅減を反映して配当についても減配を決定したものと推測している。
その後同社は今通期の業績見通しを修正し、現時点では通期の予想1株当たり利益は118.76円(前期比18.4%減)となっている。
それに対して配当予想は40円が据え置かれている。
修正予想に基づく配当性向は33.7%となっており、同社が目安とする30%を上回っていることから配当予想が据え置かれたものとみられる。
前述のように、同社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続いており、同社はそれへの対応を進める最中にある。
この点を踏まえれば現時点で配当予想を据え置いているのは妥当な判断と弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)