[4日 ロイター] - 英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の持株会社、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG) (L:ICAG)4日、スペインの航空会社エア・ヨーロッパを10億ユーロ(11億2000万ドル)で買収すると発表した。中南米とカリブ海諸国路線の強化を狙う。
IAGはエア・ヨーロッパを親会社であるスペインの旅行会社グローバリアから取得する。買収資金は借り入れで賄い、手続きは当局の承認を得た上で2020年下期に完了すると見込んでいる。
規制当局の承認獲得には、IAGが一部の路線を手放す必要があると指摘するアナリストもいる。欧州格安航空会社(LCC)ライアンエアのマイケル・オレアリー最高経営責任者(CEO)は規制当局に対し、IAGのエア・ヨーロッパ買収は競争を阻害するとして、資産売却を要請する意向を示した。
エア・ヨーロッパは現在、米大陸とカリブ海諸国を含む69路線を運航している。18年末現在で航空機66機を保有。IAGによると、エア・ヨーロッパは当面、ブランド名を維持した後、イベリア航空と統合を進めて同航空のルイス・ガジェコCEOが率いることになる。
IAGはチリのLATAM航空 (SN:LTM)と合弁会社を設立する計画だったが、チリ最高裁は5月、市場の独占につながるとしてこれを禁止した経緯がある
その後米デルタ航空 (N:DAL)が9月、LATAM航空への出資を決め、同社は航空連合「ワンワールド」を離脱してデルタが属する「スカイチーム」に加盟する計画を発表した。