米中協議の不透明感が高まっている。
米上院に続いて米下院が香港人権法案を可決し、トランプ大統領が署名する見通しと報じられているが、もし署名して法案成立となれば中国が報復を明言しており、合意の大きな障害となる。そんな中、「協議を進めるために劉鶴副首相が、感謝祭前までにライトハイザー通商代表とムニューシン財務長官を北京に招待していた」とウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。米中協議に関するニュースが流れるたびに金融市場は上下に揺れており、合意の結論が出るまで振り回される可能性が高い。ちなみに第一段階の合意は来年に延期されるという観測も出ている。
米10年債利回りは1.781%まで上昇し、ドル円は108.68円と円安が進んでいる。
午前10時33分時点で上海総合指数は0.19%高、香港ハンセン指数は0.69%高、韓国総合株価指数は0.45%高とアジア株式市場は上昇している。ドルオフショア人民元は0.04%安、ドルウォンは0.10%高。
日経平均株価は2万3196円まで上昇している。昨日の下げからの反発が大きかっただけに、一度は再度下値を試す可能性があったが、25日移動平均線で見事に跳ね返して上昇している。大統領選を来年に控えるトランプ大統領は、経済に配慮して何かしらの米中合意をするという期待(企業業績の底入れ期待)と年末株高への望みなどが株価の下値を支えているようだ。ただし、週末ということもあり、後場にこのまま上値追いができるという状況でもない。2万3217円にある5日移動平均線あたりが後場の上値目途となり、次第に様子見姿勢に転じる可能性があるだろう。