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サンワテクノス Research Memo(1):2021年3月期以降の本格的回復に向けた備えを固める

発行済 2019-12-10 15:01
更新済 2019-12-10 15:21
© Reuters.  サンワテクノス Research Memo(1):2021年3月期以降の本格的回復に向けた備えを固める
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■要約サンワテクノス (T:8137)は独立系技術商社。

電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点と、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特徴を生かして業容を拡大してきた。

近年はエンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業に注力している。

1. 2020年3月期第2四半期は設備投資需要の低下で減収減益ながら、自動車関連業界向けは成長が続く同社の2020年3月期第2四半期決算は、売上高67,608百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益909百万円(同57.3%減)と減収減益となった。

米中貿易摩擦などの影響により国内外で製造業の設備投資が減少したことを受けて2019年7月の第1四半期決算時に業績見通しを下方修正したが、自動車関連業界向けやアミューズメント業界向けの予想以上の伸びにより、第2四半期はその修正予想を大きく上回った。

自動車関連業界向けの売上高は運転支援システム向けの部品の需要にけん引されており、当面順調な拡大が続くと期待される。

FA・産業機器業界向けに続く第2の収益の柱ができつつあることになり、将来的な業績安定性の拡大に期待が高まっている。

2. 新中期経営計画「NEXT 1800」の4つの基本方針それぞれが順調に進捗同社は2020年3月期からの3ヶ年中期経営計画「NEXT1800」を策定し、そこで掲げる4つの基本方針の着実な実行に取り組んでいる。

その進捗状況は全般的に順調だ。

コアビジネス強化の中のエンジニアリング事業については、利益率改善に向けて事業戦略の転換に挑んでいる。

いたずらに時間を浪費するのではなく早期に変革に踏み切ったことはポジティブに評価できるだろう。

一方、グローバルSCMソリューション事業は順調に業容が拡大しており、収益性の面でも同社の長年の経験や事業インフラを活用する形で想定どおりの水準を獲得できているもようだ。

グローバル展開や新事業領域の拡大、持続可能な社会への貢献といったテーマに関しても、それぞれの分野で進捗が見られている。

経営目標については、初年度の2020年3月期こそ厳しい状況にあるものの、最終年度の業績目標については当初の計画値が達成される可能性は十分あると弊社ではみている。

3. 2020年3月期下期は2021年3月期からの回復需要を着実に取り込むための体制固めの時期2020年3月期通期について同社は、2019年7月時点の予想から若干予想を引き上げ、売上高140,000百万円(前期比3.7%減)、営業利益1,600百万円(同53.1%減)を予想している。

下期だけを取り出すと、最新の10月予想の数値は7月の修正予想からさらに利益水準が低下している。

予想の精度が高まった結果の見通し引き下げということで、まだ同社の業績は厳しい状況が続くことを想定しておく必要がある。

しかし一方では、業績回復の兆しも見えている。

上期は同社の直接の顧客である産業機械メーカー(セットメーカー)の在庫調整もあり設備投資の実需以上に同社の売上は低迷した。

しかし足元ではセットメーカーの在庫調整の終了で、実需を反映した形での受注へと戻って来ている。

米中貿易摩擦の激しさもピークアウト感が出てきており、2021年3月期以降の回復局面への移行が期待される状況にある。

下期はその時への備えを万全に整える時期と言え、業績数値もさることながら、その進捗こそが最も重要な評価ポイントだと弊社では考えている。

■Key Points・エンジニアリング事業では利益率上昇に向けて戦略転換に挑む・グローバルSCMソリューション事業は業容・収益性ともに順調に推移・自動車関連業界向けビジネスが長期的な事業の柱になるかに注目(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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