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Jオイル Research Memo(6):2020年3月期第2四半期は、価格改定や高付加価値品の販売強化が奏功

発行済 2019-12-12 15:26
更新済 2019-12-12 15:41
© Reuters.  Jオイル Research Memo(6):2020年3月期第2四半期は、価格改定や高付加価値品の販売強化が奏功

■業績動向1. 2020年3月期第2四半期の業績J-オイルミルズ (T:2613)の2020年3月期第2四半期の業績は、売上高90,520百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益4,184百万円(同28.3%増)、経常利益4,407百万円(同28.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,234百万円(同10.8%増)となった。

搾油原料相場やミール相場が低位で推移するなか、高付加価値品の販売拡大に取り組み、減収ながら営業2ケタ増益となった。

特別利益で前年度に発生した台風被害を対象とした受取保険金を計上したが、前年同期に計上した繰延税金資産がなくなったため、親会社株主に帰属する四半期純利益の伸びは営業利益や経常利益に比べてなだらかになった。

なお、ミール価格の下落などにより売上高で3,480百万円の未達、原料相場の下落や油脂の採算改善などにより営業利益で884百万円、経常利益で907百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で534百万円の超過達成となった。

セグメント別の業績は、油脂事業が売上高76,656百万円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益3,654百万円(同34.1%増)、油脂加工品事業が売上高6,385百万円(同1.9%減)、セグメント損失126百万円(同222百万円減益)、食品・ファイン事業が売上高6,788百万円(同1.9%減)、セグメント利益529百万円(同37.4%増)、その他は売上高691百万円(同6.6%減)、セグメント利益125百万円(同127.3%増)となった。

油脂事業の環境については、主原料の大豆相場は、世界の大豆需給の緩和予想や米中貿易摩擦問題を背景に下落した後、天候リスクから値動きが激しくなったが、中国の米国大豆成約再開のニュースで値を戻した。

菜種相場は、加中貿易摩擦により上値が重い展開になった。

為替相場は、米中貿易摩擦の長期化や中東での地政学リスクの高まりから円高が進んだのち、米中通商協議の再開で円安に振れた(期中平均は円安ドル高)。

油脂部門では、家庭用、業務用ともに物流費などインフラコスト上昇を背景とする価格是正に注力する一方、高付加価値品の販売強化に取り組んだ。

家庭用油脂は、キャノーラ油は低迷したが、オリーブオイルやごま油などが伸長し、前年同期並みの売上高を確保した。

業務用油脂は、労働環境改善など顧客ニーズに対応した「長調得徳®」や「J-OILPRO®」の提案を加速したため、高付加価値品の販売数量は堅調に推移した。

油糧部門では、主要需要先の配混合飼料の国内生産量が前年同期比微増で推移ししたため大豆ミールの販売数量は増加したが、シカゴ相場を背景に販売価格は安値推移となった。

菜種ミールの販売数量は微増、販売価格は大豆ミール価格の低下につれて安値となった。

この結果、油糧部門の売上高は前年同期をやや下回った。

油脂加工品事業のマーガリン部門は、家庭用で2019年4月~8月に「ラーマ®」製品を対象に消費者キャンペーンを実施したことで売上高は微増となった。

業務用では、高付加価値品の拡販を強化したが、製パン市場が伸び悩んだため売上高は微減となった。

粉末油脂部門では、受託生産が安定したことで販売数量、売上高ともに順調に推移した。

ただし、原料価格の高騰、委託加工賃の上昇、海外での業務提携に伴う費用計上などコストプッシュとなった。

食品・ファイン事業のスターチ部門では、コーンスターチが食品用途と工業用途ともに価格是正と採算改善に努めたため販売数量は下回った。

食品用加工澱粉は主原料であるタピオカ澱粉の価格がバーツ高により高止まったが、販売価格の改定により売上高は微増となった。

高付加価値品である「ネオトラスト®」「アミコート®」は、品質・食感改良材として中食向けの採用が拡大した。

ファイン部門では、機能性素材が海外向けに販売好調、SOYシートは現地商社との積極取組により北米を中心に新規導入が増加した結果、売上高は順調に推移した。

ケミカル部門では、新設住宅着工戸数が前年同期を下回ったため、主要需要家の木質建材産業向けも厳しかった。

2019年3月期下期に下落した原料価格は底を打って安定化したが、物流費・人件費の上昇が続いた。

このため、木質建材用接着剤の価格改定に注力したが、販売数量及び売上高は前年同期を下回った。

ただし、過年度に実施した棚卸資産評価減の影響もあって利益は拡大した。

余裕含みの通期営業利益見通し2. 2020年3月期の業績見通し2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高190,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益6,500百万円(同14.8%増)、経常利益6,900百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,400百万円(同13.7%増)を見込んでいる。

引き続き第五期中期経営計画の事業戦略における成長戦略と構造改革、なかでも高付加価値品の拡大を推進する方針である。

なお、第2四半期の売上高未達、利益過達に対して、2020年3月期通期業績見通しを据え置いたが、セグメント別営業利益の内訳を修正した。

具体的には、油脂の採算改善により油脂事業の通期営業利益予想を従来の5,300百万円から5,900百万円へと上方修正、一方業務提携に伴う費用計上などがあったため油脂加工品事業の営業利益予想を300百万円の利益から300百万円の損失へと下方修正した。

売上高の達成はやや厳しくなったが、利益の達成は余裕含みという印象である。

油脂事業において物流費や燃料費などインフラコストや油脂コストの上昇に合わせた価格改定と高付加価値品の一層の拡大を進める一方、油脂加工品事業及び食品・ファイン事業では収益力向上を目指す。

特に中期を見据えて、高付加価値品や海外事業などへの投資、コストコントロール、継続的な構造改革などをより積極的に推進する方針である。

具体的には、重点施策である高付加価値品の販売強化はもちろん、物流費や燃料費の増加に対して販売価格改定を図り採算改善する方針を継続する。

これにより2020年3月期には営業利益65億円を達成し、2021年3月期に営業利益80億円以上を目指す考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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