[東京 25日 ロイター] - 日産自動車 (T:7201)は25日、副COO(副代表執行役兼最高執行責任者)の関潤氏(58)が退社すると発表した。複数の関係者によると、日本電産 (T:6594)の次期社長への就任が内定している。株式市場は新しい経営体制を担うトップ3の1人が去ることを嫌気し、日産の株価は大幅続落した
日産の新経営陣は12月1日にスタートしたばかり。関氏は業績リカバリープランの推進を担当してきた。関係者によると、計画は順調に推移、2022年3月期に数千億円規模の合理化効果を見込める状況になっていた。しかし、陣頭指揮をとってきた関氏の退社で、こうした業務改善に向けた動きが遅れる可能性もある。
日産自株は25日、3.14%安で取引を終了。11年9月以来約、8年3カ月ぶりの安値を付けた。
日産では18年11月のゴーン前会長の逮捕以降、1年余りにわたって経営が混乱し、業績の低迷が続いている。抜本的な経営再建が急務となる中、内田誠社長兼CEO(最高経営責任者)、アシュワニ・グプタCOO、関氏の3人が協力して再建に取り組む新しい経営体制がスタートした。
3人を任命した日産の取締役会は新経営陣を「トロイカ(3頭立て馬車)」体制とし、関氏はその団結と協調を印象付けようとしてきた。しかし、関氏の退社でその一角が崩れることになり、日産の経営が再び混迷状態に逆戻りしかねないと懸念する声もある。
一方、日本電産は創業者の永守重信現会長兼最高責任者(CEO)が昨年2月、当時副社長だった吉本浩之氏を社長兼最高執行責任者に選び、創業以来初めての社長交代として注目を集めた。しかし、中国市場の不透明感などを背景に業績は悪化しているため、永守会長はさらなる経営刷新が必要と判断、吉本氏に代わる社長候補を探していた。
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