[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。年末を迎え利益確定売りが優勢となり、主要3株価指数の1日あたりの下落率は約4週間ぶりの大きさとなった。
この日は、ナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)が米中による第1段階の通商合意書の署名式が間もなく行われるという見通しを表明。これに先立ち、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは関係者の話として、中国の劉鶴副首相が第1段階の合意書に署名するため今週ワシントンを訪問すると報じた。
ただ米国株への影響は限定的。プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「トレーダーやポートフォリオマネジャーの多くは目標を達成しており、自身のパフォーマンスを危険に晒したくない。そのため、年末に一部利益確定売りが出るのは珍しいことではない」と述べた。
セクター別では通信サービス (SPLRCL)が1%安と値下がりトップ。情報技術 (SPLRCT)が0.6%安となり、指数の重しとなった。
年間では情報技術が47.5%高、通信サービスが30.6%高となり、S&P500の上昇に寄与した。
チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ部門バイスプレジデント、ランディー・フレデリック氏は、上昇率が大きなセクターほど下落リスクが高いため、そのようなセクターから利益確定売りが出るのは当然との見方を示した。
あすの米株市場は通常取引で、元日は休場となる。
個別銘柄では、中国の電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)の米上場株 (N:NIO)が53.7%高。堅調な需要を背景に四半期決算が予想を上回った。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.43対1の比率で上回った。ナスダックでも1.52対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約61億2000万株。直近20営業日の平均68億9000万株を下回った。