[東京 6日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比483円27銭安の2万3173円35銭となり、大幅続落した。米国がイラン革命防衛隊の精鋭部隊司令官を殺害したことを受け、米国とイランの対立が鮮明化している。リスクオフムードの中、朝方から幅広い銘柄で売りが先行。その後も米株先物の下落や為替の円高基調などが嫌気され、下げ幅を一時500円超に拡大した。
米国がイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことを受け、イランは報復を予告した。米国とイランの報復合戦が激化した場合、不安定要素が拡大するため、市場参加者のリスク回避姿勢が強まっている。
日経平均は前営業日比336円86銭安で寄り付くと、じりじり値を下げ、前場引け前までに下げ幅を508円09銭まで拡大した。
TOPIXは1.69%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0701億円だった。東証33業種では海運、空運、その他製品、水産・農林、パルプ・紙、輸送用機器などが値下がり率上位に入った。一方、中東地域での紛争激化で世界的な原油供給が混乱するとの懸念から、鉱業、石油・石炭製品は買われた。
個別では、防衛関連株が堅調。石川製作所 (T:6208)、豊和工業 (T:6203)が一時ストップ高となり、前引け段階で東証1部の値上がり率1位と2位となった。東京計器 (T:7721)も大幅高。東証2部では日本アビオニクス (T:6946)が、ジャスダック市場では重松製作所 (T:7980)がそれぞれ一時ストップ高となった。
東証1部の騰落数は、値上がりが188銘柄に対し、値下がりが1933銘柄、変わらずが39銘柄だった。