[東京 10日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比36円22銭高の2万3776円09銭となり、小幅に続伸した。前日の米国株高を好感し続伸スタートとなったものの、指数寄与度の高いファーストリテイリング (T:9983)が大幅安になり上値を重くした。
9日の米国株式市場では、アップル (O:AAPL)など大型株が値上がりし、相場を支援。主要3指数が最高値を更新して取引を終えた。
日経平均は米国株の上昇に比べて動きの鈍い展開となった。1月限日経平均先物ミニ・オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)値は2万3857円19銭。朝方はSQ算出に絡む買い注文も加わり、上昇して始まったものの、高値警戒感から伸びを欠いた。3連休を控えているため、後場は模様眺めになるとの見方もある。
市場からは「きのう500円超の大幅高となったため、きょうも更に上値を追うような展開にはならなかった。指数寄与度の大きいファーストリテイリングが売られ、日経平均にとって重荷となった。後場は3連休を控えているため手仕舞い売りになるとの声もあるが、為替は109円台半ばで安定的に推移しているため、大きく売られることもなく前場同じ水準でもみあうのではないか」(国内証券)との声が出ていた。
TOPIXは0.13%高で前場の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1601億0100万円。東証33業種は、機械、パルプ・紙、医薬品などの18業種が値上がり、繊維業、電気・ガス業、水産・農林業などの15業種が値下がりした。
個別ではファーストリテイリング (T:9983)が3.01%安となり、日経平均を約69円押し下げた。同社は9日に2020年8月期の営業利益予想を従来見通しから300億円減の2450億円(前年比4.9%減)と発表。最高益予想から一転し、4期ぶりの営業減益予想となり、嫌気された。
一方、安川電機 (T:6506)は続伸スタート後にマイナス転換したものの、その後再びプラス圏に浮上、3.28%高となった。9日に発表した2019年3─11月の連結営業利益は前年同期に比べて約6割減だったが、第4・四半期以降の業績回復期待で買われたもよう。市場からは「今期に比べると来期は良くなりそうで、次のガイダンスへの期待も出やすい」(国内証券)との声が出ていた。
東証1部の騰落数は、値上がりが904銘柄に対し、値下がりが1137銘柄、変わらずが117銘柄 だった。
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