日経平均は反落。
153.46円安の23877.89円(出来高概算5億1663万株)で前場の取引を終えている。
前日の米株式市場では、中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて対策を強化する方針を示したことを好感する場面もあったが、過去最高値圏にある主要3指数は上値の重さが意識されて高安まちまちとなった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比180円安の23840円になるなか、為替相場も1ドル=109円台後半と前日から円高基調となっており、本日の東京市場には売りが先行した。
その後は、韓国をはじめとしたアジア株が売り先行後に下げ渋りをみせたことなどから、225先物に対する売り一巡感が意識された。
業績期待の高い銘柄中心に押し目買いの動きもみられ、日経平均は前引けにかけて下げ幅を縮小する展開となった。
セクターでは、その他金融や精密機器、その他製品を除く東証30業種が揃って下落。
とりわけ、海運業や鉱業、石油・石炭製品の下げが目立った。
売買代金上位銘柄では、ソフトバンクG (T:9984)、ファーストリテ (T:9983)、楽天 (T:4755)、ネットワンシステムズ (T:7518)、資生堂 (T:4911)、三菱商事 (T:8058)、三菱UFJ (T:8306)、ファナック (T:6954)、日本たばこ産業 (T:2914)、KDDI (T:9433)、三井住友 (T:8316)が下落。
一方で、5G普及による業績拡大への期待続くアドバンテスト (T:6857)が4%を超える上昇となったほか、トヨタ自動車 (T:7203)、東京エレクトロン (T:8035)、太陽誘電 (T:6976)、NTTドコモ (T:9437)などは堅調。
足元では、中国発の新型コロナウイルス拡大をきっかけとして、地理的な距離も近い日本株にも売りが優勢の展開になっている。
しかし、指数先物や東証1部の売買高及び売買代金に特段の目立った変化が見られていない点を勘案すると、現状の下落は同ニュースをきっかけとした短期筋による利益確定の動きが主体であり、海外投資家などによる新規の売りが殺到する流れには至っていないとみられる。
この流れから、本日前場の東京市場では、日経平均は25日移動平均線(23834円処)がサポートラインとして意識されており、業績期待の高いとされるハイテク株中心に買われた。
投資家による押し目買い意欲の強さが窺える一方で、後場にかけては大引け後に控える日本電産 (T:6594)の20年3月期第3四半期決算発表に対する市場の注目度が次第に高まってくるタイミングでもある。
渦中の中国では、武漢市が新型コロナウイルスの感染拡大阻止のために公共交通機関運行停止を発表しているものの、引き続き同国政府や世界保健機関(WHO)の対応動向を見極めたいとの向きは根強く、後場にかけてはこれらの要因から様子見ムードになるシナリオも視野に入れておきたい。