[31日 ロイター] - 米重機メーカーのキャタピラー (N:CAT)が31日示した2020年通年の利益見通しは、市場予想を下回った。合わせて発表した2019年第4・四半期決算も主力3事業の売上高がすべて減少した。
キャタピラーの株価は一時2.4%下落した。
20年の1株利益見通しは8.50─10ドルとした。市場予想は10.63ドル、前年は11.06ドルだった。
ボンフィールド最高財務責任者(CFO)は通年の利益見通しにはこれまで分かっている新型肺炎の影響が考慮されているとしつつも、新型肺炎を巡る中国の状況は「極めて流動的」と慎重な見方を示した。
第4・四半期は、機械、エネルギー、輸送の各事業の売上高はすべて減少。米中の関税合戦を背景に顧客が設備投資への支出に慎重になったことで、ディーラーが同四半期に在庫を7億ドル削減したことが響いた。
キャタピラーは、今年の小売販売が最大9%減少すると予想。これに伴い、ディーラーは在庫を最大15億ドル削減する見通し。
第4・四半期の調整後1株利益は2.63ドルと、前年同期の2.55ドルから増加し、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の2.37ドルを上回った。
需要減に対処するため実施したコスト管理は奏功し、営業利益は改善した。ボンフィールドCFOはロイターに対し、今年も原材料・輸送関連コスト減などのコスト管理が軟調な需要を相殺する公算が大きいと述べた。