(ブルームバーグ): 韓国でこれまでに新型コロナウイルス感染が確認された人は1000人を突破した。中国湖北省から始まったウイルス拡散が世界的な規模になりつつあるとの懸念が一層強まっている。
韓国の保健福祉省は26日、国内で新たに169人の感染が確認され、計1146人になったと発表。わずか1週間前は51人にとどまっていた。
韓国はアジアで中国に次ぐ2番目の新型ウイルス主戦場になりつつあり、シンガポールを含む二十数カ国が韓国からの入国を制限する措置を打ち出した。感染者の大半は南東部の大邱市で報告されており、政府による強力な封じ込め策が欠如する中で、感染がさらに広がるのではないかとの懸念がある。
在韓米軍は26日、大邱市に近い基地「キャンプ・キャロル」に駐留していた米軍兵士1人が新型ウイルス検査で陽性反応が出たと発表した。韓国で米軍兵士の新型ウイルス感染が確認されたのは初めて。
武漢と宗教団体の接点
韓国で報告された新型ウイルス感染の大半は、宗教団体「新天地イエス教証しの幕屋聖殿(新天地イエス教会)」に関連する。多くの信徒が感染しており、大邱市に近い病院で教祖の兄の葬儀が今月初めに行われた後、同病院の患者に感染が広がったと見られている。
新天地イエス教会は、新型ウイルスの震源地である湖北省武漢市に複数の拠点がある。武漢から戻った信徒によって韓国にウイルスが持ち込まれたとの証拠はないが、韓国の疾病管理本部は先週、同団体の韓国内拠点と武漢市を含む中国拠点との関係を調べていると明らかにした。
文在寅大統領も問題の葬儀について徹底的に調査するよう保健当局に指示した。
原題:South Korea Virus Cases Top 1,000, Heightening Spread Fear (1)(抜粋)
--取材協力:Jihye Lee、Jinshan Hong.
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