[ブリュッセル 26日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は、26日公表の加盟国への提言をまとめた文書で、域内の生産性は十分に速いスピードで伸びておらず、投資はいまだに極めて低水準で、公的債務は削減が最も必要とされている国々で高水準にとどまっていると指摘した。
そのうえで、全加盟国が経済成長を持続的なものにする取り組みに注力しない限り、EU全体として成果は出せないとの見解を示した。
「公的債務比率は多くの加盟国で引き続き低下傾向にあるが、債務削減が最も必要とされている国々では低下していない」とし、債務の国内総生産(GDP)比率が100%を上回っているイタリア、ギリシャ、ポルトガル、キプロスに言及した。
また、欧州委によると、加盟国は公的投資を金融危機前の水準まで戻すのに苦戦しており、歴史的な低水準にとどまっている。公的投資のGDP比率の今後の伸びも、とりわけユーロ圏では小幅にとどまると予想されているとした。
ドイツやオランダなど財政が健全な国々は経済成長を押し上げ、環境配慮型でデジタル化が進んだ経済への移行を後押しするため、投資を引き上げるべきだと論じた。
「最終的には、域内外のマクロ経済の不均衡を引き続き是正することが、域内経済の耐性の向上につながる」との見方を示した。