(ブルームバーグ): トランプ米大統領は26日夜、新型コロナウイルスの国内感染拡大を阻止する取り組みについて説明し、「どんな事態が起ころうとわれわれは十分に備えている」と、国民に安心するよう呼び掛けた。
大統領は記者会見で、政権の取り組みが奏功し、国民へのリスクは非常に低いと述べる一方、「悪化する可能性はある。大幅に悪化する可能性もあるが、避けられない事態などない」とも語った。ペンス副大統領が対策の責任者となる。
共和、民主両党議員はトランプ政権が議会に要請した新型ウイルス対策費では不十分だとし、一部議員からは、感染が広がっている国々からの一段と広範な入国制限など、水際対策強化を政権に求める声も上がっている。しかし、ホワイトハウスでは、そうした措置が米経済、さらにはトランプ大統領の再選キャンペーンに悪影響を及ぼすのではないかとの懸念もある。
政府として都市の封鎖などの措置も視野に入れているかとの質問にトランプ大統領は、「はるかに大規模」な計画も立てているが、それが必要になるとは考えていないと答えた。
大統領はまた、「信じ難い」ことにインフルエンザで「毎年、6万9000人が亡くなっている」とし、インフルエンザ流行時のように「頻繁に手を洗い、体調が悪く、インフルエンザにかかったような感じがしたら外出を控えるべきだ」と語った。
会見に同席した米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、最も有望なワクチン候補は約2カ月で安全性試験にかける準備ができそうだと発言。ただ、実際に臨床で使用が許可されるまでには少なくとも数カ月から1年を要するだろうと説明した。ワクチンを開発している企業名は明らかにしなかった。
同所長はその上で、今年、感染拡大を封じ込められたとしても、来年再び流行することもあり得ると指摘した。
アザー厚生長官も会見で、これまでの封じ込め戦略は有効だったとする一方、「リスクの程度は急変する可能性があり、米国内で感染者が増えることも予想できる」と話した。
米疾病対策センター(CDC)のアン・シュケット首席副所長は「向こう数週間、数カ月でどのように推移するかは極めて不透明だ」と説明した。
原題:Trump Says Coronavirus Outbreak May Worsen but Calls U.S. Ready(抜粋)
(大統領の発言などを追加して更新します)
--取材協力:Jennifer Jacobs、Saleha Mohsin、Nick Wadhams、Jeff Kearns.
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