(ブルームバーグ):
●日経平均2万2000円割れ、ウイルス感染拡大で景気懸念-ほぼ全面安
東京株式相場は大幅続落。新型ウイルスの感染が新たな地域に広がり、世界景気への影響が意識された。業績が悪化すると懸念された電機株が安く、空運や証券株の下げが大きかった。東証1部銘柄の95%が下げ、ほぼ全面安になった。
東海東京調査センターの関邦仁ストラテジストは、中国の新型ウイルス新規感染者より海外の新規感染者の方が多くなり、世界景気への警戒感から「いったんヘッジ目的で先物を売っていた投資家が現物も売り始めており、リスクを削減する動きが広がった」と話した。
- 東証33業種では電機、小売、空運、証券・商品先物取引、石油・石炭製品、非鉄金属、サービスの下げが目立った
債券相場は上昇。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒から日本株が大幅安となったことに加え、日本銀行が実施した国債買い入れオペ結果も買い材料となった。海外投資家が相場の上昇期待から先物買いを入れているとの見方も出ている。
野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
- 日銀の残存5-10年の買いオペ結果が予想より良かったことが好感された
- 先物が上値抵抗線だった153円を上抜けして上昇トレンドに乗ったことを背景に、海外勢が商品取引顧問業者(CTA)と同じ手法で、一定ペースでたんたんと先物を買っている
- 海外勢の先物ポジションは現在6000枚(1枚=1億円)程度のロングで、通常は2万から3万枚積み上げる傾向があるため、上昇トレンドはかなり続く可能性
- 対象は1年超5年以下と5年超10年以下で、買い入れ額はいずれも据え置き
- 応札倍率は残存1-3年が前回から低下した一方、3ー5年と5ー10年は上昇。落札レートは5ー10年が実勢より低い強い結果
- 野村証の中島氏
●ドル・円は下落、新型ウイルス感染拡大懸念-110円ちょうど付近
東京外国為替市場のドル・円相場は下落。欧米での新型コロナウイルスの感染拡大を懸念したリスク回避の動きが継続した。景気リスクが意識される中で、株安が進行したことを受けて一時110円を割り込む場面も見られた。
NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)
- 世界的な新型コロナウイルス感染拡大への懸念が根強く、リスク回避の動き継続。感染拡大による景気リスクから株安が進行していることも、リスク回避の動きにつながっている
- リスク回避の動きはまだ続き、ドル・円は110円割れが定着する可能性。ただ、2月7日の109円53銭や13日の109円62銭はチャートポイントで支えられやすい
- 109円台半ばの水準が支えられる前提には米経済の強さがあり、この見方が弱まるとさらなる下値リスクも意識される
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