(ブルームバーグ): 日本銀行は3日、国債買い現先による資金供給オペを2日連続で実施した。新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場への影響を配慮し、潤沢な資金供給の姿勢を示したとみられている。
日銀は午前9時30分、国債買い現先オペ5000億円を通知した。期間は4日から16日まで。同オペの下限となる応札レート(期間利回り)はマイナス0.10%。日銀は前日、約4年ぶりに同オペを5000億円(3日ー16日)で実施していた。
SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「日銀は資金供給を厚めにすると言っていたのでその一環、それほど副作用もない上し、緩和姿勢を示す意味でやっている」と指摘。「短期的な対応とみられ、長期国債の買い入れを積極化する必要ない」とみる。
日銀の黒田東彦総裁は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」との談話を発表した。
この日の国債買い現先オペの結果は、5000億円の買い入れ予定額に対して、応札額が1500億円にとどまる札割れとなった。前日の同オペでも5000億円の通知に対して、応札額が5710億円と札割れ寸前だった。
パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「2日連続のオペ実施はまだ演出という感じがある。効力は持続しないだろう」と述べ、「日銀が本気でマイナス金利深掘りなどの緩和にかじを切る見方は少ない」と指摘した。
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--取材協力:Chikako Mogi、三浦和美.
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