(ブルームバーグ): プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社大手のブラックストーン・グループとカーライル・グループは投資先企業に対し、信用ひっ迫を回避するため全力を尽くすよう呼び掛けている。
事情を知る複数の関係者によれば、市場のストレスが高まる兆候がある中、流動性不足を回避するため銀行融資枠を引き出す企業の動きに両社の投資先も加わっている。
ブラックストーンでは、新型コロナウイルスの打撃を受けている接客業や原油価格急落に直面するエネルギー関連企業に重点を置いているという。
他の関係者によると、カーライルではこうした措置は広範囲なものではない。同社は投資先企業の経営者らと幅広く話し合っており、場合によっては融資枠引き出しを勧めている。業種や地域などの要素に基づき判断されているという。
ブラックストーンの広報担当者は発表資料で、全社的な指示はないものの、同社として「新型コロナウイルス感染症の影響を直接受けた一部企業の財務面の必要性を精査中」だと説明した。カーライルの担当者はコメントを控えた。
こうした行動はボーイングやヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスなどの計画と同様、米企業の間に広がる先行き不透明感の表れだ。
新型コロナのパンデミック(世界的大流行)や原油市場の価格競争などの問題で米経済はリセッション(景気後退)入りの恐れがある。
企業による銀行融資枠引き出しが急激かつ持続的に増えた場合、状況悪化で借り手が債務返済できなくなれば、いずれ銀行収益を圧迫する恐れがある。
原題:Blackstone, Carlyle Urge Portfolio Companies to Tap Credit (2)(抜粋)
--取材協力:Allison McNeely、Daniel Taub.
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