[フランクフルト 17日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループ (DE:VOWG_p)は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今週中にイタリア、ポルトガル、スロバキア、スペインの工場を操業停止にすると発表した。
欧州の他の大半の工場についても操業停止の準備を進める。
同社は新型コロナウイルスの感染拡大により、今年の見通しを示すことができないとも表明した。
同社の労働評議会は、工場で労働者が感染防止のための安全な距離を保つことができないと判断。20日からの操業停止を勧告した。
同社のヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)は17日、「現在、販売状況が大幅に悪化しており、工場への部品供給を巡る不透明感も強い。傘下のブランドが運営している工場の操業を近い将来に停止する」と表明した。
今週中に操業停止となるのは、VWの複数のスペイン工場、ポルトガル・セトゥバル工場、スロバキア・ブラチスラバ工場のほか、ランボルギーニとドゥカティのイタリア工場。
ドイツなど他の欧州諸国の大半の工場も2-3週間の操業停止に向けた準備を進める。
同CEOは「今年は非常に厳しい年になるだろうだ。コロナの感染拡大がどのような操業上・財務上の課題をもたらすのかは不透明だ。また、景気への影響が続くとの懸念もある」と述べた。
同社は先月まで、今年の自動車出荷台数が前年並みになると予想していた。売上高営業利益率についても6.5─7.5%になる見込みだが、外部要因に左右されると表明していた。
フランク・ウィッター最高財務責任者(CFO)は声明で「現在、コロナウイルスの感染拡大が、世界経済に影響を及ぼしている。VWグループがどの程度深刻な影響を、どの程度の期間受けるかは不透明だ。信頼できる予測を立てるのは現時点でほぼ不可能だ」と述べた。
同社が先に発表した昨年の通期営業利益は22%増の169億ユーロ(185億ドル)。利益率が高い乗用車の販売が堅調だったほか、ディーゼル車の排ガス不正に伴う罰金などの費用が減少した。
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