[シドニー 18日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ (T:8306)は18日、スイス系商品取引・鉱山開発グレンコアが保有するオーストラリア・クイーンズランド州グラッドストーン港のウィギンズアイランド石炭ターミナル(WICET)への融資8500万ドルをヘッジファンドに1ドル当たり52セントで譲渡した。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で市場の動揺が続き、世界的に資産価格が下落するなか、3月31日の年度末を前に多額のコストを支払って石炭関連資産へのエクスポージャーを排除する決断を下した。3人の関係筋がロイターに明らかにした。
三菱UFJの広報担当者は、コメントを拒否した。
WICETの債権者でもある関係筋の1人は「3月31日が近づくと、邦銀はその前にポジションを処分する傾向がある。しかし、稼働資産にしては大幅な割引価格だ。良い買い物だ」と語った。
WICETはグレンコアのほか、豪ニュー・ホープ (AX:NHC)、コロナド・グローバル・リソーシズ (AX:CRN)、中国のYancoal、宝山鋼鉄(バオスチール) (SS:600019)の豪子会社のアクィラ・リソーシズの4社が保有している。
WICETの建設資金は港の使用料を裏付けとする融資で100%賄われており、2026年9月を期限とする優先債務26億米ドル、 2020年に期限を迎える劣後債務3億8300万豪ドル(2億2796万米ドル)、2046年に期限を迎える株主ローン5億7500万豪ドルを抱えている。
債権団には豪4大銀行やアジアや欧州の銀行、ヘッジファンドなど23社前後が名を連ねている。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200319T003843+0000