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シンバイオ製薬 Research Memo(7):2021年12月期の黒字化達成と営業利益率10%以上の継続が目標

発行済 2020-04-03 15:17
更新済 2020-04-03 15:21
© Reuters.  シンバイオ製薬 Research Memo(7):2021年12月期の黒字化達成と営業利益率10%以上の継続が目標

■中期経営計画1. 中期経営計画シンバイオ製薬 (T:4582)は2020年2月に2022年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表した。

2022年12月期に売上高10,816百万円、営業利益1,482百万円、営業利益率で持続的に10%以上を確保していくことを目指す。

2021年12月期より本格稼働する自社販売体制のもとで、「トレアキシン(R)」の凍結乾燥注射剤からRTD製剤への早期切り替えを進めること、再発・難治性DLBCLの適応追加後の市場浸透拡大により、「トレアキシン(R)」の薬価ベースでの年間売上高100億円の早期達成等により、2021年12月期における営業利益の黒字化実現と、その後の持続的な成長を最優先に経営に取り組んでいく方針を示している。

開発パイプラインに「BCV」が新たに加わったことで、今後はグローバル・スペシャリティファーマとして成長を目指していく考えだ。

2. 業績目標の前提売上高については「トレアキシン(R)」の製品売上が大半を占めており、直近の市場への浸透ペースや売上高の傾向を反映させ策定している。

2020年12月期まではエーザイへの製品出荷単価をベースとして売上計上しているが、2021年12月期からは自社販売体制による医薬品卸業者への出荷単価をベースとした売上計上となるため、売上高が急拡大する見込みとなっている。

また、2022年12月期の売上増加要因は、2021年12月期第2四半期に承認取得を計画している再発・難治性DLBCLの適応追加による需要拡大が主な要因となっている。

売上総利益率は自社販売体制へのシフト、並びにRTD製剤への切り替えが進むことによって、2020年12月期予想の33.7%から2022年12月期は70~80%に上昇する見込みとなっている。

販管費は2020年12月期予想で6,236百万円だが、2021年12月期以降も60億円前後の(マイルストーン支払い除く)の水準が続く見通し。

このうち、研究開発費については「トレアキシン(R)」及び「リゴセルチブ」注射剤と経口剤、「BCV」の開発計画の想定に基づいて費用を計上しており、新規パイプラインの導入に関する契約一時金等の費用は計上していない。

その他販管費については、主として「トレアキシン(R)」の営業・マーケティング業務、生産物流業務、事業開発業務、管理業務関連費用で構成されており、主にMRの増員に伴う人件費及び活動費の増加を見込んでいる。

人員については2019年末の106名から2020年末は152名に増加する予定だが、その後は大きな増員は計画していない。

なお、2021年12月期以降の当期純利益が経常利益を上回るのは、黒字化に伴い繰越欠損金等の解消が進むことの影響額を税効果会計に反映したことによる。

BCVのグローバル展開が進めば売上成長ポテンシャルは一段と拡大3. 売上成長ポテンシャル売上成長ポテンシャルについて見ると、「トレアキシン(R)」については再発・難治性のDLBCLで販売承認が得られれば、国内での対象患者数が一気に約2倍に拡大することになる。

市場浸透率を何%に置くかによっても変わるが、DLBCLを除けば薬価ベースで約120~130億円のポテンシャルがあると見られ、これに再発・難治性DLBCLの患者が加わるだけで、単純計算すれば約2倍の240~260億円が期待できることになる。

また、「リゴセルチブ」は高リスクMDSを適応症とする承認が取れれば、「アザシチジン」と同規模程度の売上(約150億円)が期待できることになる。

両品目での売上成長ポテンシャルは薬価ベースで2018年の85億円から400億円前後、同社の売上高としては300億円以上となるが、新たに「BCV」を新規パイプラインとして加えたことで成長ポテンシャルはさらに拡大することになる。

前述したように、「BCV」は複数のDNAウイルスに対して高い抗ウイルス活性を持つことが特徴となっており、造血幹細胞移植後や臓器移植後のウイルス感染症治療薬としての開発期待は大きい。

グローバルでの展開に成功すれば、売上成長ポテンシャルは1,000億円を超える可能性もあり、今後の展開が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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