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富士ソフト Research Memo(4):多彩かつユニークなICTサービス・プロダクトを提供(1)

発行済 2020-04-07 15:24
更新済 2020-04-07 15:41
© Reuters.  富士ソフト Research Memo(4):多彩かつユニークなICTサービス・プロダクトを提供(1)

■事業内容富士ソフト (T:9749)の報告セグメントは、SI事業、ファシリティ事業、その他の3つから成る。

主力のSI事業はシステム構築とプロダクト・サービスに大別され、さらにシステム構築は組込系/制御系ソフトウェアと業務系ソフトウェア、プロダクト・サービスは狭義のプロダクト・サービスとアウトソーシングに細分化される。

また、ファシリティ事業はオフィスビルの賃貸、その他はBPOサービス事業やコンタクトセンター事業、再生医療事業等を行っている。

1. 屋台骨である組込系/制御系ソフトウェアSI事業のシステム構築区分に属する組込系/制御系ソフトウェアは、全社売上高の28.0%(2019年12月期)、同営業利益の33.5%(同)を占める屋台骨であり、セグメント利益率もSI事業の中ではトップであった。

組込系/制御系ソフトウェアは、特定の機能を提供するために当該機器に組み込まれたマイクロコンピュター等で動作するソフトウェアであり、同社のテクノロジーは、自動車や携帯電話、TVやエアコンなどの家電製品、プリンター等のOA機器、ロボットや半導体製造装置の生産設備、信号機などのインフラ設備、CTやMRIといった医療機器など、多種多様な製品・機器で活用されている。

同社は、当領域で国内トップクラスの実績を蓄積しており、FA(Factory Automation)等の機械制御系や自動車関連に強みを有する。

車載向けに限定すれば実質的にすべての国内完成車メーカーに納入しており、国内トップシェアを誇っている。

自動車産業におけるCASE(Connected:コネクティッド化、Autonomous:自動運転化、Shared/Service:シェア/サービス化、Electric:電動化)やAIやロボットによる生産性革命の流れは、現在のところ、同社にとって追い風であり、2019年12月期においては前期比8.5%増収、同4.8%増益を確保、期末受注残高も前期末比10.8%増と順調に積み上がっている。

なお、セグメント利益率は6.9%と2018年12月期の7.1%からわずかに低下したが、新卒大量採用等の影響を吸収しエンジニアの稼働率は維持されているもようであり、問題視する必要はない。

2. 3期連続で2ケタ増収増益を達成した業務系ソフトウェアSI事業のシステム構築区分に属する業務系ソフトウェアは、全社売上高の28.8%(2019年12月期)、同営業利益の24.1%(同)を占める大きな柱である。

2016年12月期は足踏み局面となったが、その後は3期連続で2ケタ増収増益を達成している。

2019年12月期の増収率は前期比19.4%と一段と加速(2017年12期は12.3%→2018年12期は14.8%)、増益率は同17.0%、期末受注残高も前期末比11.8%増と好調に推移している。

また、セグメント利益率は4.8%とほぼ前期(4.9%)並みの水準を確保している。

当領域は、オーガニックな事業拡大に加え、補完的M&A戦略が奏功し、現在では、流通業、金融業、サービス業、製造業、ネットビジネス、社会インフラ、教育、文教、医療、公共機関など幅広い業種に対し、店舗・受発注システムや生産・販売・在庫管理などの基幹システム、勘定系システム、情報システム、ネットサービスといった様々なソリューションを、コンサルティングから開発、システム構築、サポートまでワンストップで提供できる体制を確立している。

国内ITサービス市場の主戦場に位置する業務系ソフトウェア領域については、1)オンプレミス(サーバー等のITシステムを自社内の設備で運用すること)からクラウドサービス利用へのシフト、2)「守りのIT(業務の効率化がメイン)」から「攻めのIT(事業の創造がメイン)」への進化、など既存プレイヤーにとって逆風になりかねない市場の構造変化が起こっている。

このなかにあって同社は、「変化はチャンスなり」の精神で積極的な人材投資による受託開発強化を明確に打ち出し、実行している。

まさに、「挑戦と創造」という社是に相応しい経営判断であったと考える。

この点、業務系ソフトウェアの好調は、流通・サービス分野のeコマース化やデジタルコンテンツ分野の需要拡大、システムインフラ構築を中心とした分野における様々なデジタルトランスフォーメーション(DX)対応の加速、働き方改革をテーマとしたICT利活用の推進、といった時代の流れや市場構造の変化に応えるサービスを的確に提供した結果だと言える。

また、同社の一連の取り組みは事業パートナーからも高く評価されている。

具体的には、「Microsoft Japan Partner of the Year 2019」におけるModern Deviceアワードの受賞、世界最大のITクラウドサービスを運営するAmazon Web Services(AWS)からは「政府機関コンピテンシー」と「IoTコンピテンシー」の認定を国内で初めて取得、IT仮想化市場で世界一のシェアを誇るVMwareからは「VMwareマスターサービスコンピテンシー」の認定をアジア圏で唯一取得、などが2019年の実績として列挙できる。

また、同社は2020年1月に事業部を新設し、ネットビジネス分野での取り組みを一段と強化することを打ち出している。

既存プレイヤーにとって「不都合な真実」という一面を持つ「アマゾンエフェクト」(アマゾン・ドット・コムの急成長に伴い様々な市場で進行している混乱や変革などの現象)を直視した事業戦略の一環であり、今後の動向に注目しておきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)

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