[ワシントン 22日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC) のクレイトン委員長は22日、新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる市場の混乱を受けポートフォリオの調整を行っている投資家に対し、情報公開の面で懸念があることから米市場に上場する中国企業への投資には慎重に対応するよう呼び掛けた。
SECは前日、財務情報や会計検査などに関する虚偽の情報公開について、外国企業に対する是正措置の発動が極めて困難になっているとし、米市場に上場する中国企業は「リスクを簡素な英語で明示し、こうしたリスクについて説明する必要がある」との見解を示している。
クレイトン委員長はこの日、FOXビジネス・チャンネルのインタビューに対し、「今は機関投資家がポートフォリオの調整を行っている時期だが、 新興国(の企業)の情報公開は米企業のものと似たように見えるかもしれないが、同じ種類の投資ではないことを念頭に置いておく必要がある」とし、「異なる種類のリスクをはらんでおり、見定めるのは難しい」と述べた。
中国企業を巡っては、人権侵害や米国の安全保障を脅かす疑いのある企業に対する連邦公務員の年金基金による投資を停止するよう、米議員や元政府高官がトランプ政権に働き掛けていることが関係筋の話で明らかになっている。