日経平均は大幅に3日続落して節目の20000円を割り込んだ。
前日の米国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が長期にわたる景気後退の可能性を示したことや署名投資家テッパー氏による「市場は過大評価されている」との見解をきっかけに市場心理が悪化し株価指数は大きく続落。
この流れを受けて日経平均も100円を超える下げ幅で3日続落してスタートを切ったが、前場は節目の20000円を割らず思いのほか底堅く推移した。
しかし、後場に入って14時頃から急変。
急速に売りに押されはじめ、半導体関連を含め景気敏感セクター主導で大きく下げ幅を拡大していき、日経平均は一日を通しての安値圏での大引けとなった。
大引けの日経平均は前日比352.27円安の19914.78円となった。
東証1部の売買高は13億2977万株、売買代金は2兆1578億円だった。
業種別では、海運業、建設業、鉄鋼、金属製品、鉱業などを中心に東証33業種中で医薬品以外のすべてのセクターがマイナスとなった。
東証1部の値上がり銘柄は全体の9%、対して値下がり銘柄は90%であった。
個別では、1-3月期営業利益が前年同期比57%減と下振れ着地したソニー (T:6758)が4%近い下落。
また、ガイダンス非開示で出尽くし感が先行したスクエニHD (T:9684)も5%近く売られた。
その他、東証1部の売買代金上位では、ソフトバンクG (T:9984)、トヨタ (T:7203)、東エレク (T:8035)、三菱UFJ (T:8306)、キーエンス (T:6861)、ファナック (T:6954)など景気敏感系業種の下落が目立った。
また、携帯電話事業での投資が嵩んで第1四半期(1-3月)営業損益が赤字に転落した楽天 (T:4755)も3%超と下落した。
一方、従来計画を上回る着地となり、21年3月期も2%を超えるコア営業増益見通しを示した武田薬 (T:4502)は大幅上昇。
ゲームソフトウェア格納用LSIが堅調で構造改革による業務効率化も寄与したメガチップス (T:6875)は20%近い急伸となった。
また、4-6月期見通しを前年同期比69%増の水準としPCオンラインゲームの好調さを示したネクソン (T:3659)は14%超と上昇した。
そのほか、東証1部の売買代金上位では、第一三共 (T:4568)が大幅上昇し、昨日大きく売り込まれたところからの自律反発となった資生堂 (T:4911)、KDDI (T:9433)などが小高く引けた。