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アジア投資 Research Memo(5):メガソーラープロジェクトが足元業績をけん引(2)

発行済 2020-06-15 15:05
更新済 2020-06-15 15:21
© Reuters.  アジア投資 Research Memo(5):メガソーラープロジェクトが足元業績をけん引(2)

■決算動向3. 2020年3月期決算の概要日本アジア投資 (T:8518)の2020年3月期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前期比12.8%増の3,950百万円、営業利益が同143.6%増の716百万円、経常利益が441百万円(前期は5百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が同40.5%減の343百万円となった。

従来連結基準でも、営業収益が前期比11.5%増の2,760百万円、営業利益が同49.6%増の265百万円、経常利益が同67.9%増の140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同47.7%減の302百万円と増収及び営業(経常)増益となった。

最終損益が減益となったのは特別利益のはく落によるものである。

一方、「期初見込値」に対しては、売上高、利益ともに下回る着地となっている。

従来連結基準による業績の概要は以下のとおりである。

営業収益は、プロジェクト投資資産の売却が増収に大きく寄与。

一方、PE投資については、予定していた株式売却の先送りやIPOした銘柄の株価が想定を下回ったことなどにより、計画を大きく下回り減収となった。

したがって、PE投資の下振れをプロジェクト投資資産の売却でカバーして増収(及び増益)を確保したものの、「期初見込値」には届かなかったという形であり、図らずも前期と同じ構図となった。

また、営業総利益が前期比5.7%増の1,359百万円と増益となったのも、プロジェクト投資資産の売却益が大きく寄与した。

ただ、株式売却益の縮小や植物工場の立ち上げに伴う先行費用の発生等により、営業総利益率は49.2%(前期は52.0%)に若干低下している。

販管費については、人件費の抑制や事務委託費の削減等により前期比1.4%減の1,094百万円に減少。

したがって、営業総利益の増加と販管費の減少が営業増益につながったと言える。

一方、最終損益が減益となったのは、前述のとおり、前期計上した特別利益(投資有価証券償還益や関係会社株式売却益)のはく落によるものであり、その点は想定内である。

財務面(従来連結基準)では、借入金の返済等により「現金及び預金」が大きく減少したことから総資産は前期末比8.7%減の15,800百万円に縮小した。

借入金は前期末比16.5%減の8,166百万円に減少している。

なお、営業投資資産の動きを見ると、「戦略投資」が大きく拡大した一方、戦略投資以外のPE投資は減少。

「プロジェクト投資」については、新規投資を実行したものの、売却等による影響を受けたことから若干減少する結果にとどまっている。

一方、財務健全性に目を向けると、自己資本は内部留保の積み増しにより前期末比5.6%増の7,223百万円に増加し、自己資本比率は45.7%(前期末は39.5%)に改善。

同社が重視する財務バランス(「現金及び預金」と流動の高い「プロジェクト投資」の合計が借入金を超過する状態)も維持している。

投資種類別の業績は以下のとおりである。

(1) PE投資営業収益は前期比25.1%減の1,104百万円、営業総利益は同33.3%減の343百万円と減収減益となり、計画を大きく下振れた。

営業収益が下振れたのは、1)IPOの延期があったこと、2)IPOした銘柄の株価が想定を下回ったこと、3)予定していた株式の売却が先送りとなったこと、4)他社が運営するファンドからの利益が減少したことなどが理由である。

また、利益面では、減収による収益の下押しに加え、株式の売却原価の増加により減益となった。

株式の売却原価の増加は、投資倍率の高い上場株式の売却が減少したことや大型未上場株式の流動化を優先した結果、売却損が発生したことが理由である。

(2) プロジェクト投資営業収益は前期比65.6%増の1,656百万円、営業総利益は同31.5%増の1,015百万円と増収増益となった。

メガソーラープロジェクトの売却7件(前期は4件)が増収に大きく寄与した。

一方、利益面では、植物工場の立ち上げに伴う先行費用(150百万円)が発生したものの、増収により吸収して大幅な増益を実現した。

4. 2020年3月期の総括以上から、2020年3月期を総括すると、株式売却の先送りや株式売却益の下振れなどから「期初見込値」には届かなかったものの、プロジェクト投資資産の売却により、しっかりと営業増益を確保しながら、新たな投資資金を捻出できるようになってきたところは改めて評価すべきポイントであり、厳しい環境だからこそ、これまでやってきたことの妥当性を再確認することができたと言える。

一方、それとは裏腹に、将来の収益源であるプロジェクト投資資産の積み上げには遅れが生じており、今後の課題として認識する必要が出てきた。

ただ、その点においても、短期売却目的のプロジェクト投資への方針転換により、具体的な案件にもすでに取り組んでおり、今後の方向性を示すことができた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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