[フランクフルト/ニューヨーク 24日 ロイター] - ドイツの医薬品大手バイエル (DE:BAYGn)は24日、除草剤「ラウンドアップ」の発がん性を巡る10万件近い米国での訴訟について、責任も不正行為も認めずに、最大109億ドルを支払って和解することで合意したと発表した。1年以上にわたった協議を決着させた。
バイエルの声明によると、正式に訴状が提出されていない分を含めると12万5000件に及ぶ案件について、約75%相当分と条件で折り合った。ラウンドアップその他の除草剤製品全体の約95%が今回の和解の対象になる。
ラウンドアップは、バイエルが2018年6月に630億ドルで買収した米農薬・種子大手モンサントの製品。
バイエルのバウマン最高経営責任者(CEO)は和解について、「バイエルが長期間の不確実性を終わりにするための、適切なタイミングでの適切な行動だ」と表明した。
支払いの内訳は、未決着の訴訟に対する積立金を含む現行訴訟分の88億-96億ドルと、将来に提訴される可能性のある別件の集団訴訟の和解のための12億5000万ドル。
バイエルの株価はモンサント買収完了以降、29%下落している。
今回のバイエルの和解金額は、過去にメルク (N:MRK)が鎮痛剤を巡る訴訟で和解した50億ドルなどと比べて、桁違いに大きい。