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コスモスイニシア Research Memo(7):新型コロナウイルスの影響により中期経営計画変更の可能性も

発行済 2020-07-13 15:17
更新済 2020-07-13 15:21
© Reuters.  コスモスイニシア Research Memo(7):新型コロナウイルスの影響により中期経営計画変更の可能性も

■コスモスイニシア (T:8844)の中長期経営方針1. 新型コロナウイルスの中期経営計画2021への影響2020年、突如人類に襲い掛かった新型コロナウイルス感染症は、世界に大きな影響を及ぼしている。

前述してきたように、同社も各事業で大なり小なり影響が出ており、現在、対応・対策を講じつつある。

このため、新たなステージへの第一歩と位置付け、更なる飛躍へ向けて投資や戦略を強化する方針であった、同社の中期経営計画2021も影響を受けそうだ。

2022年3月期の、売上高1,350億円、営業利益81億円、自己資本比率30%という目標の修正・延期、少なくとも取り組み方の変更はあるかもしれない。

しかし、同社が中期経営計画2021で目指した方向が間違っていたかというと、そういうことではない。

人類の英知によって必ず、しかも遠からず「コロナ後」の世界が来るだろう。

それが見えれば、再び目指す目標となるべきものである。

ならば、今最も苦戦している宿泊事業においても、中期経営計画2021の背景となった中長期経営方針の考え方や取り組みは正しいと考えることができ、そうした方針に沿って戦略展開が成されるべきなのだろう。

変わらない中長期の基本的な方針2.中長期経営方針中長期経営方針では、すべての経営活動におけるCSV※1の実践とSDGs※2・ESG※3を意識した経営により社会的価値を創出し、社会の変化とニーズの多様化に応える都市環境をプロデュースすることによって事業を創造・革新し、財務基盤の更なる強化と株主還元の充実により株主価値の向上を図ることを追求することとしている。

そして更なる飛躍と新たなステージを目指すのだが、そのための取り組みとして、事業/投資/組織・人事戦略を統合的に展開、事業拡大・積極的な投資と同時に財務基盤の更なる強化を進め、株主還元の向上を目指す。

そしてこれを具体化したのが中期経営計画である。

※1 CSV(Creating Shared Value):企業の強みを生かして社会問題を解決することで、持続的な成長を図る差別化戦略。

CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の発展形と言われる。

※2 SDGs(Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標。

2015年の国連サミットにおいて全会一致で採択され、「貧困の根絶」や「働きがい」、「気候変動への対策」など国際社会に実現を求める17の目標。

※3 ESG(Environment, Social, Governance):環境・社会・企業統治。

持続可能な社会の形成に寄与するために企業や機関投資家が配慮すべき3つの要素。

変わらない理由はまさに、ミッションとして掲げた「Next GOOD」には、顧客とその先にある社会に「一歩先の価値」を提供する存在でありたいという「願い」が込められており、中長期経営方針が「Next GOOD」をバックボーンにしているからである。

その中長期経営方針の中で特に重要な意味を持つのが、社会の変化とニーズの多様化に応えることができる都市環境をプロデュースすることで事業を創造・革新していくこと、と考える。

それは同社にとって、単身世帯やシニア層の増加、働き方や雇用の多様化、訪日外国人や日本在住外国人の増加、技術革新による社会インフラの変化、シェアリングエコノミーの拡大、レジャーやエンタテイメント領域の拡大、健康や美容への関心の高まり——といった事業ドメイン周辺のあらゆる社会変化に対して、事業や投資、組織・人事など各戦略を統合的に展開していくことである。

戦略という視点で区分けすると、大きく事業戦略、投資戦略、組織・人事戦略、財務戦略になる。

事業戦略では、既存の事業領域で開発した商品・サービスを周辺事業領域に展開、中古ストックの再生・活用・運営ビジネスを積極的に拡大し、アパートメントホテル事業に続く新たな事業の創造やビジネス領域の拡張を進める考えである。

投資戦略では、既存事業の成長・拡大を促進する研究開発に加え、ICT(Information&Communication Technology)の取り込みやM&Aを含めた新たな事業創造に資源を集中することになるだろう。

組織・人事戦略では、同社独自の働き方改革「WSI※」を拡充し、創造性や生産性の圧倒的な向上を目指す。

さらに財務戦略として、事業拡大や積極投資と同時に財務基盤を強化、配当金の持続的増加など株主還元を厚くして株主価値を向上させていく考えである。

※WSI(Work Style Innovation):同社独自の働き方改革。

WSI前後(2019年3月期/2015年3月期)の比較で、営業利益208%増、残業時間42%減、休日出勤数99%減、有給休暇取得44%増となった。

2019年3月期はリモートワークの全社利用促進や育児・介護と仕事の両立支援を拡充した。

事業別の具体的戦略も方向感は変わらない3. 事業別の具体的な取り組み新型コロナウイルスの影響により、事業別でも中期の目標数値が変わっていく可能性はあるが、大きな戦略的方向感は変わらないと考えている。

もちろん、スケジュールや経営資源などの面で、方向感自体の調整が必要なものも出てくるとは考えている。

レジデンシャル事業では、豊富なメニューとサービスをワンストップで提供することにより、収益性の向上を目指す。

新築分譲では、利便性の高い立地の開発と空間設計など品質にこだわった商品・サービスの強化によって、一歩先の住宅開発で差別化し一定のマーケットシェアの確保を目指す。

アクティブシニア向けマンションでは、全国主要都市で多様なニーズに応え開発を加速する考えだ。

リノベーションマンションにおいては、新築マンションの空間設計を取り入れ、リテール仲介とリノベーション工事をワンストップサービスで展開する方針である。

ソリューション事業では、購入から運営、売却までのあらゆるソリューションをワンストップで提供する一方、オペレーションの効率化なども推進する。

投資用不動産等では、商品の多様化や中古ストックの再生、ブランド化の強化に加え、「セレサージュ」や「MID POINT」に続く、不動産価値の向上につながる商品やサービスの開発を継続する考えだ。

不動産賃貸管理等では、管理戸数・管理面積の拡大とオペレーションの効率化を推進する。

不動産コンサルティングでは、ソリューションビジネスやコンサルティングサービスの拡充とワンストップ対応を進める方針である。

宿泊事業は、物件開発と(売却後の)管理運営を併せ持つ事業のため、リスクコントロールはしやすいと考えられる。

とはいえ、しばらくは訪日外国人旅行者の利用が見込めないので、これまであまり集客活動を行ってこなかった日本人向けに、販売促進を強化することを検討している。

工事事業では、単なるオフィス空間ばかりでなく、働き方改革に向けたオフィスの設計施工やフットサルコートやクラブハウスもあるスポーツ施設、それに店舗やアミューズメント施設への取り組みを一層強化していく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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