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神戸物産 Research Memo(2):「業務スーパー」を軸とした食の製販一体企業として成長(1)

発行済 2020-08-07 15:02
更新済 2020-08-07 15:21
© Reuters.  神戸物産 Research Memo(2):「業務スーパー」を軸とした食の製販一体企業として成長(1)

■会社概要神戸物産 (T:3038)は、食品スーパーの「業務スーパー」を全国にFC展開するだけでなく、食材となる農畜産物の生産や製造加工などもグループで手掛ける国内トップの食の製販一体企業である。

事業セグメントとしては、主力の業務スーパー事業のほか、神戸クック事業、クックイノベンチャー事業、エコ再生エネルギー事業の4つの事業セグメント及びその他で開示している。

2020年10月期第2四半期累計の売上構成比で見ると、業務スーパー事業が89.5%となっており、また、営業利益に関しても約96%を占めることから、連結業績の動向は業務スーパー事業とほぼ連動する格好となっている。

1. 業務スーパー事業業務スーパー事業では、同社が「業務スーパー」のFC本部として商品の企画・開発及び調達等を行っており、「業務スーパー」で販売するPB商品の一部を国内外の子会社で製造している。

2008年以降、M&Aにより食品工場を積極的にグループ化しており、現在、国内における100%出資の食品工場保有数は22拠点と、食品小売業界の中でトップとなっている。

「業務スーパー」は業務用をメインとした商品開発・販売からスタートし、中間流通マージンを除いた直仕入や店舗運営の徹底した効率化により、「品質の良い商品をベストプライス」で提供することにより顧客からの支持を集め、2000年の開業以降、成長を続けている。

ここ数年は年間25~35店舗ペースで店舗数を拡大し、2020年10月期第2四半期末の店舗数は862店舗まで拡大している。

直営店舗は2店舗のみであり、FC展開によって店舗数の拡大を進めている。

主なFC企業としてはG-7ホールディングス (T:7508)の子会社である(株)G-7スーパーマートのほか、オーシャンシステム (T:3096)などがある。

FC本部としてのロイヤリティー収入はFC加盟店への商品出荷高の1%としており、FC展開する企業の中では低い料率となっている。

これは同社の経営方針として、すべての取引会社の収益を拡大していくことが、自社の成長につながるという考えによるもので、ロイヤリティー収入で稼ぐのではなく、食品の製造と卸売事業で収益を拡大していくことを基本戦略として掲げているためだ。

なお、FC加盟店からはその他に加盟金220万円(税込)、保証金1千万円の一時金のほか発注システム使用料で月額31,428円(税込)を徴収している。

業務スーパーの取扱商品総数はPB商品、NB商品合わせて約4,000点に上る。

PB商品に関しては、国内外の自社グループ工場24工場(うち中国2工場)に加えて、海外の協力工場から調達している。

PB商品の出荷額構成比率は2020年10月期第2四半期累計で31.38%とここ数年上昇傾向にある。

このうち、国内の自社グループ工場で製造した商品が約10%(約200アイテム)で、残り約20%が輸入品となる。

輸入品のうち約半分は中国からで、残り半分を欧米、ASEAN、中南米地域から直輸入している。

輸入先数は約40ヶ国に上り、ここ数年は中国以外の国からの輸入を強化している。

商品としては各国の代表商品となるようなもので、イタリアならパスタやピザ、ベルギーではチョコレートやフライドポテト、ベトナムではフォーなどで、2019年の最大のヒット食品となったタピオカドリンクは台湾から輸入している。

同社の強みの1つとして、消費者にとって魅力のある商材を自社グループで開発、製造できるだけでなく、約40ヶ国にわたる国とのネットワークを活かしていち早く発掘し、大量仕入れが可能な調達力を有する点が挙げられる。

なお、生鮮食料品については自社で仕入調達せず各FC店舗の裁量に任せている。

また、同社はグループ会社で農畜産物の生産といった第1次産業も手掛けている。

農業に関しては北海道でジャガイモなどを生産し、業務用として販売しているほかJAを通して市場に出荷している。

養鶏業では岡山県で「吉備高原どり」、群馬県で「上州高原どり」の養鶏を行っている。

処理された鶏を新鮮な状態で近畿や関東圏の「業務スーパー」に出荷しているほか、ソーセージなどの加工品としても出荷している。

また、水産業に関しては宮城県で地域産業復興支援も兼ねて漁業や水産加工業を行っており、2019年にヒット商品となった「Ca鮭フレーク」も石巻工場(宮城県)で製造されている。

為替変動の影響に関して、同社は輸入の仕入れ決済の大半を米ドル建てで行っているため(残りはユーロ、円建て)円高は仕入れコスト減要因となる。

参考までに2019年10月期の米ドル建て決済は約2.5億ドル超の規模となっている。

同社は為替変動リスクを軽減するため、一部為替予約によるヘッジを行っており、ヘッジ部分に関しては営業外収支に反映されることになる。

一方、為替変動に伴うFC加盟店への卸価格の変更はタイムラグが生じるため、急激に為替が変動した場合などは、収益に与える影響も一時的に大きくなる可能性がある。

2. 神戸クック事業神戸クック事業は、「業務スーパー」で構築された原材料の仕入調達から商品販売に至るまでのローコストオペレーションのノウハウを活かした外食・中食事業となる。

現在は多国籍料理をバイキング形式で提供する「神戸クック・ワールドビュッフェ」(2020年10月期第2四半期末、FCのみで23店舗、平均顧客単価は1,200~1,300円)や、自社グループで製造された専用の食材等を店舗で組み合わせて調理し、出来立ての惣菜やお弁当として提供する惣菜店「馳走菜(ちそうな)」(同18店舗、うち直営2店舗)がある。

「馳走菜」は2018年2月より開始した新業態で、特徴としては、量り売りをなくしてパック詰め商品をメインとした販売とし、提供する商品も売れ筋商品に絞り込むなど、効率性と人手不足に対応したイージーオペレーションを実現した店舗形態になっている点が挙げられる。

このため、収益化もしやすく、同じ総菜業態の「Green's K」で損失を計上していた店舗を「馳走菜」に業態変更し、初月から黒字転換したケースも出ている。

このため、今後は「馳走菜」を中心に展開していく方針となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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