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日経平均は小幅続伸、短期の資金ローテーションとその裏で進む…

発行済 2020-08-12 12:22
更新済 2020-08-12 12:41
© Reuters.  日経平均は小幅続伸、短期の資金ローテーションとその裏で進む…

 日経平均は小幅続伸。

38.91円高の22789.15円(出来高概算7億2000万株)で前場の取引を終えている。

 11日の米株式市場でNYダウは8日ぶりに反落し、104ドル安となった。

ロシア政府が世界初の新型コロナウイルスワクチンを承認したと伝わったほか、トランプ大統領がキャピタルゲイン(譲渡益)減税に言及し、360ドルあまり上げる場面もあった。

しかし、ハイテク株の売りが重しとなったうえ、追加経済対策の実施に不透明感が広がったこともあり下落に転じた。

ナスダック総合指数は1.7%の下落となったが、時間外取引で電気自動車(EV)のテスラやバイオ製薬のモデルナが大きく上昇。

為替市場で1ドル=106円台後半まで円安が進んだことも日本株の支えとなり、本日の日経平均は2円安でスタートすると、前日終値を挟み一進一退の展開となった。

高値は11時6分に付けた22874.37円、安値は9時58分に付けた22670.74円。

 個別では、トヨタ自 (T:7203)や任天堂 (T:7974)がしっかり。

資生堂 (T:4911)やレーザーテック (T:6920)は堅調ぶりが目立つ。

米10年物国債利回りが1カ月ぶりの高水準を付けたことから、三菱UFJ (T:8306)や三井住友 (T:8316)といったメガバンク株は2%超の上昇。

決算発表銘柄ではじもとHD (T:7161)や新日電工 (T:5563)、荏原 (T:6361)が急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出している。

一方、ソフトバンクG (T:9984)が売買代金トップで2%超の下落。

決算はさほどネガティブに受け止められたわけでないが、米ハイテク株安が重しとなっているようだ。

ソニー (T:6758)や東エレク (T:8035)もさえない。

携帯電話事業の投資負担の重さが嫌気された楽天 (T:4755)は売りがかさみ、エーザイ (T:4523)は買いが続かず急反落。

また、ネットマーケ (T:6175)などが東証1部下落率上位に顔を出した。

 セクターでは、銀行業、保険業、ゴム製品などが上昇率上位で、その他も全般堅調。

半面、非鉄金属、医薬品、サービス業の3業種が下落している。

東証1部の値上がり銘柄は全体の59%、対して値下がり銘柄は36%となっている。

 前日の米国株はハイテク関連を中心に下落したが、米長期金利の上昇が続いたことによるバリュー(割安)株への資金流入、また為替相場の円安進行が支えとなり、本日の日経平均は一進一退の展開となっている。

値がさグロース(成長)株の一角が売られているため日経平均は上値が重いが、東証株価指数(TOPIX)は前引け時点で0.78%の上昇。

東証1部全体としては6割近い銘柄が上昇し、業種別騰落率でも全33業種中30業種がプラスとなっており、市場のムードは日経平均の動きほど悪くないかもしれない。

 売買代金上位ではやはり金融株を中心としたバリュー株の堅調ぶりが目立つが、直近の下落が急だった資生堂やレーザーテックといったグロース株の一角が踏ん張りを見せている点にも注目したい。

ZHD (T:4689)も反発し、高値もち合いを維持。

米国においてテスラやモデルナが時間外取引で買われていることから、グロース株の反騰に期待する向きも出てくる可能性がある。

ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりで、前日よりやや減少。

とはいえお盆休みシーズンとしては上出来だろう。

 新興市場ではマザーズ指数が続落。

先週の上昇が大きかっただけに目先の調整はやむを得ないところだが、25日移動平均線の位置する1000ptを割り込む場面では押し目買いも入り下げ渋っている。

インターネット・IT関連株の軟調ぶりが目立つものの、直近上場のモダリス (T:4883)やティアンドエス (T:4055)が賑わっており、マザーズ指数の軟調ぶりとは裏腹に個人投資家の物色は比較的活発だろう。

 アジア株式市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が軟調で、株価指数先物に散発的な売りが出ることで日経平均の上値を抑えそうだ。

ただ、市場の関心は連騰一服した米国株や債券・為替市場の動向に向かっている印象。

後場の日経平均もこれらを睨み一進一退の展開が続きそうだ。

 さて、前日の当欄では日経平均が当面もち合いとなる可能性について改めて説明した。

これは他の資産クラス、あるいはバリューやグロースといったファクターのパフォーマンスについても同様の傾向となるかもしれない。

そもそも6月以降の金融市場を振り返ると、こうした傾向が見られる。

 現在はワクチン開発の進展期待に米7月雇用統計の予想上振れ、米経済対策への期待なども加わって、債券が売られる(金利は上昇)とともに金や米ハイテク株の価格上昇に逆回転がかかっている格好だ。

反面、金利上昇が売られていたバリュー株の戻りを後押ししている。

ただ、我々はこうした光景を6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前にも見た。

結局、このときも米長期金利やバリュー株の反騰は長く続かなかった。

人類が新型コロナを克服する「決定的な材料」が出てこない限り、資産価格の大きな方向感は出てこず、投資資金の短期的なローテーションに振らされる展開が続きそうだ。

 但し、こうした環境下で米ナスダック総合指数や金価格が過去最高値を、また米長期金利が過去最低水準を更新してきたことも付言しておきたい。

短期的な資金ローテーションの裏で、コロナ禍でのニューノーマル(新常態)は政治、経済、人々のライフスタイル等あらゆる場面でじわり進行しているのだろう。

また、自動車株のようにセクター内でも市場評価に差が出てきているケースが見られるが、この話はまた次回以降としたい。

(小林大純)

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