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ミアヘルサ Research Memo(7):「地域包括ケアシステム」を構築していくことで成長を目指す

発行済 2020-12-21 15:17
更新済 2020-12-21 15:41
© Reuters.  ミアヘルサ Research Memo(7):「地域包括ケアシステム」を構築していくことで成長を目指す

■今後の成長戦略1. 主要事業の市場環境についてミアヘルサ (T:7688)の3事業は公的保険制度の事業であり、社会保障給付費の増加と共に成長が可能となっている。

社会保障給付費は主に年金、医療、介護、保育の4つに対して適用されており、同社は年金以外の事業に該当し、社会保障給付費の増大とともに成長できる余地が非常に大きく、3事業の機能連携によるシナジーを差別化として、社会保障のニーズ増大と共に収益拡大をしていく戦略をとっている。

(1) 医薬事業調剤薬局業界ではここ数年、大手企業によるM&Aが活発化しており、業界再編の真っただ中にある。

また、市場動向としては、薬価改定等の影響によって調剤医療費については隔年で浮き沈みがあるものの、ここ数年は7兆円台後半の水準で推移している。

一方、処方箋枚数については高齢化社会が進むなかで年々増加してきたが、2019年度はコロナ禍の影響で3月に落ち込んだ影響で、若干ながらマイナス成長となり、2020年度においても現状からするとマイナス成長が続く可能性が高い。

ただ、事態が終息すれば、再び増加に転じるものと予想される。

こうしたなか、2021年8月から新たに薬局機能認定制度が導入される。

薬局機能認定制度とは、患者自身が適した薬局を選択できるようにするため、入退院時等に他の医療施設と連携して対応できる機能を持つ「かかりつけ薬局(地域連携薬局)」と、癌などの専門的な薬学管理に対応できる機能を持つ「専門医療機関連携薬局」に分類し、一定の要件を満たした上で都道府県知事が認定し、1年ごとに更新する制度となる。

これは地域包括ケアシステムを構築していくため、地域における「かかりつけ薬局」の機能強化を促進することや、専門的な薬学管理を必要とされる調剤薬局について、よりその機能を強化していくための施策と考えられる。

同社は門前薬局が6割以上を占めており、この「専門医療機関連携薬局」と「かかりつけ薬局」の機能を兼ね備えた店舗もある。

今後、薬局機能認定制度が調剤報酬点数にどのように影響してくるかは流動的ではあるものの、質の高い薬剤師を多く抱える同社にとって新たな認定制度の導入は、プラスとなる可能性がある。

また、同社は門前薬局の比率が高いことから、処方箋単価も平均で14千円台と全国平均の9千円台と比較して高くなっている。

今後、抗がん剤や希少疾患等において高薬価の新薬が増える可能性があり、これら需要を取り込むことで処方箋単価のさらなる増加が期待できるが、日本では薬価は規制当局によって決められることもあり、全体的には抑制傾向にあると見ておいたほうが良い。

こうしたことから、医薬事業においては当面は現状の収益水準を維持していくことを優先に考えており、新規出店としては「地域包括ケアシステム」構築のなかでの出店や、条件に見合うM&A案件が出てきたケースなどとなる。

(2) 介護事業介護の対象となる高齢者人口は今後、増加の一途をたどり、2040年に65歳以上の人口は3,920万人とピークを迎えることが予想されており、全人口の35%が65歳以上の高齢者となる。

このため介護サービスの市場についても今後、安定的な成長が見込まれている。

同社では、今後増加が予想される認知症介護を含めて、幅広い要介護者に対して施設系から訪問系まで多様なサービスを提供できる強みを生かして、収益を拡大していく方針となっている。

課題は前述した通り、収益性の向上となる。

2020年3月期のセグメント利益率は4.5%だが、管理費等の全社共通費用を除いたベースであり、仮に全社共通費用(2020年3月期で762百万円)を事業部門別に売上構成比で比例配分した場合は利益率が1%以下の水準となってしまう。

介護事業のうち介護保険が適用されるサービスについては介護報酬が決まっているため、訪問系、通所系サービスともにいかに生産性を向上できるかがポイントとなる。

介護業界においては、離職率が高いと一般的に言われているが、同社の正社員の離職率は1桁台を維持している。

また、在宅ホスピス配属の看護師など専門性の高いキャリア採用にも注力し、教育費の抑制も図る。

一方、施設系サービスとなるサービス付き高齢者向け住宅については入居率がポイントとなるが、2020年3月期時点で94.7%となっており問題の無い水準と判断される。

(3) 保育事業女性の社会進出に伴って、国の統計には含まれていない「隠れ待機児童」が大きな社会問題となっている。

厚生労働省が毎年4月時点の待機児童数を発表しており、2020年は12,439人と前年比で4,333人減少したが、「隠れ待機児童」はまだ約7万人にのぼると言われている。

「隠れ待機児童」とは、希望の認可保育所に入れずに、認可外保育所へ通園している児童や、保護者が求職活動を休止した児童などが含まれている。

こうした「隠れ待機児童」は特に東京都などの都市部に多く、これら地域では引き続き認可保育所の開設が続くものと予想され、同社にとっても事業拡大の好機となる。

前述したように保育士等の採用や教育研修面においては、高く評価されていることから、今後も3園ペースでの新規開設は十分可能と弊社では見ている。

また、保育市場の成長を狙ってここ数年、新規参入した保育事業者のなかには、運営面で苦労している事業者も多く、M&A案件も今後増えてくる可能性があり、シナジー効果が期待できる案件に関しては前向きに検討していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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