[北京 3日 ロイター] - 来年2月4に開幕する北京冬季五輪は、中国にとって感染症対応の成功を誇示し世界の注目を集める場となる。ただ一方で、人権問題と新型コロナウイルスの不透明感が影を落としている。
オックスフォード大学で中国史を教えるラナ・ミッター氏は、「中国は、オリンピックが世界に開かれた国という印象を再び作り出すことを期待している」と述べた。
習近平国家主席の下で中国は、社会の管理を強化し反対意見を弾圧してきた。
人権団体や一部の西側政治家は、中国の香港および新疆自治区への対応を批判し、五輪開催に異を唱えている。
新型コロナウイルスについては、来年2月までに世界規模で完全にコントロールできる公算は小さいと専門家が指摘している。
グローバル化のシンクタンクの代表、王輝耀氏は、楽しみを提供しウイルスのコントロール状況を示すことで、世界はかつてのイデオロギーの違いや中国のイメージを払拭すると断言した。
北京冬季五輪を巡っては、中国のウイグル族の弾圧を理由に、英国のラーブ外相が昨年10月にボイコットの可能性を否定しないと発言した。
中国は新疆ウイグル自治区での迫害や強制労働を否定し、香港での取り締まりは必要な措置と主張している。
非政府組織(NGO)のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、国際オリンピック委員会(IOC)に対し、2月までに人権リスクへの対応に関する説明を求めている。
HRWの中国担当ディレクター、ソフィー・リチャードソン氏は、まだ公式回答はないとした上で、アスリートの行動に対する中国側の反応が数ある懸念の一つと指摘。
「アスリートがウィーチャットで中国政府に批判的なコメントを投稿したらどうなるか」と疑問を投げかけた。ウィーチャットは政府のオンライン検閲の対象となっている。
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