[東京 9日 ロイター] - 近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT─CTホールディングスは9日、2021年3月期連結決算(日本基準)の純損益見通しを370億円の赤字に下方修正した。
20年12月末で34億円の債務超過となったことも公表した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でGoToトラベルキャンペーンが一時停止されたことなどで多数の旅行がキャンセルされたほか、希望退職の実施や固定資産の減損で特別損失を計上したことが響く。
純損益の従来予想は170億円の赤字だった。
通期売上高は前年比77.4%減の870億円、営業損益は355億円の赤字となる見通し。
11月に公表した希望退職者の募集にはパート社員を含む1376人が応募。特別退職加算金などの費用は60億円を見込む。
同時に発表した4─12月期決算でも216億円の純損失を計上。この結果、純資産の合計が20年3月末から218億8900万円減少し、34億6300万円の債務超過となった。
同社は資金面について、第3・四半期(4─12月期)末に連結ベースで約500億円の資金残高があり、現時点で特段の不安要素はないとしている。さらに300億円のコミットメントライン契約を締結している。
(石田仁志)