[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米株式市場のここ2週間のさえない展開は、年金基金による月末および四半期末のリバランス(配分調整)が一因となった可能性があり、リバランス絡みの売り圧力は来週31日まで続くかもしれない。
S&P総合500種は3月に2%近く、第1・四半期に3%超上昇。一方、米国債価格は低調となり、10年債利回りは先週に14カ月ぶりの高水準を付けた。アナリストの多くは、資金が債券にシフトすると見込む。
ただ、S&Pの上昇はこのところ息切れ感が出る一方、国債への売り圧力は弱まった。10年債利回りは25日、1週間ぶりの低水準を付けた。これを受け、ウェルズファーゴのアナリストは米年金基金がリバランスのために株式から債券にシフトする資金の予測を190億ドルと、18日時点に予想した280億ドルから引き下げた。
クレディ・スイスは24日付のリポートで、月次あるいは毎四半期にリバランスを行う年金基金による株売りの総額を326億ドルと推計。一方、債券の代理と見なすiシェアーズ・コアUSアグリゲートボンドファンドETF は約450億ドルの買いを見込む。
ただ、全てのアナリストがリバランスによって株式に下押し圧力が生じると見込むわけではない。JPモルガンのグローバル市場チーフストラテジスト、マルコ・コラノビック氏は、ポートフォリオの調整を四半期末に厳密に行うのではなく状況に応じて実施したり、特定の資産クラスのウエートの目標よりもボラティリティー水準に基づき配分調整を行うといった最近の傾向によって、これまで四半期末が到来するたびに懸念材料だったリバランスの影響は弱まったと指摘した。